2025.12.25
活用ノウハウ
曜日や時間帯によってクリニックの混雑度に差がある「患者の波」を平準化することはできるのか?

曜日や時間帯によって患者さんの来院数に波があり、忙しい時間と比較的落ち着いている時間の差が大きいというご相談をいただきました。特定の曜日や時間帯に患者さんが集中し、院内が滞ってしまう一方で、別の時間帯には余裕があるという状況は、多くのクリニックで見られます。
今回は、「このような患者数の波をどのように平準化していくことができるのか」「どのようなやり方が考えられるのか」という点についてご相談をいただいています。そこで、曜日や時間帯による患者数の偏りを前提にしながら、実際の運用の中で考えられる対応方法について整理してお話しします。(患者動線DXコンサルタント:石井聡)
曜日や時間帯によって患者数に偏りが出る理由
── 曜日や時間帯によって患者数の波が生まれてしまうのはなぜなのでしょうか?
名前:石井
これは、ある程度はどのクリニックでも起きやすいことだと考えています。
たとえば、月曜日や特定の曜日、午前中など、患者さんが集中しやすい時間帯がある一方で、平日の午後など、比較的患者さんが少ない時間帯もあります。
こうした波は、患者さんの来院の仕方や受付の仕組みを考えると、自然に生まれてくるものです。そのため、波を完全になくすというよりは、波があることを前提に、どのように平準化していくかを考えていく必要があります。
予約枠の設定によって波をならしていく考え方
── 患者数の波を平準化するために、まず取り組める方法はあるのでしょうか?
名前:石井
一つの方法として考えられるのが、予約枠の設定の仕方です。
順番受付を行い、予約にも対応している場合、朝一番の時間帯や午後の診療開始直後など、もともと患者さんが集まりやすい時間帯には、あえて時間帯の予約枠を設けないというやり方があります。その代わり、午前中であれば11時以降、午後であれば開始直後を除いた時間帯など、比較的落ち着いている時間に予約枠を設定します。
その時間に来院できる患者さんには予約を取ってもらうことで、予約時間に合わせて診察に誘導しやすくなります。結果として、患者さんの来院が集中しやすい時間帯から、比較的空いている時間帯へと、少しずつ移っていく流れをつくることができます。
順番受付と時間帯予約を併用する場合の考え方
── 順番受付にも対応している場合でも、平準化は可能なのでしょうか?
名前:石井
可能だと思います。
順番受付を続けながらでも、予約枠をどこに設定するかによって、患者さんの流れは変わってきます。
重要なのは、患者さんが集中しやすい時間帯に予約枠を重ねないことです。比較的空いている時間帯に予約枠を設けることで、その時間に来院できる患者さんが予約を利用し、結果として院内の流れが整いやすくなります。
次回予約時の案内による誘導
── さらに患者数の偏りを減らすためにできることはありますか?
名前:石井
もう一つ考えられるのが、次回予約を取る際の案内の仕方です。
次回予約の際に、「この曜日のこの時間帯であれば比較的余裕があり、スムーズにご案内できます」「この時間帯であれば予約も取りやすいです」といった形で伝えることで、患者さんがその時間帯を選びやすくなります。
患者さんにすべてを任せるのではなく、空いている時間帯を具体的に示すことで、予約が分散しやすくなり、結果として患者数の波をならしていくことにつながります。
患者数の平準化を進めるうえで意識すべき点
── 平準化を進める際に注意すべきことは何でしょうか?
名前:石井
混雑する時間帯そのものを無理になくそうとしないことが大切です。患者さんが集中しやすい時間帯はどうしても存在しますし、それを完全に解消することは難しいです。
ただし、予約枠の設定や次回予約時の案内を工夫することで、空いている時間帯に患者さんを誘導しやすくなります。こうした積み重ねによって、患者数の偏りは徐々に緩和していきます。
まとめ:意図を持った設計で患者の流れを整える
曜日や時間帯による患者数の偏りは、多くのクリニックが抱える共通の課題です。
しかし、予約枠を空いている時間帯に配置し、次回予約時にスタッフが適切に案内することで、患者の流れは少しずつ平準化していきます。患者さん任せの運用から一歩進み、クリニックの意図を反映した予約設計を行うことが、安定した診療体制をつくるための重要なポイントになります。
本記事を解説した専門家

患者動線コンサルタント
株式会社レイヤード
石井聡
いしい さとし
得意な診療科目:眼科、小児科、皮膚科、内科
医療IT業界において約20年にわたり、介護保険のシステム開発、大規模病院向けの業務改善ソリューション提案など、医療機関の多用な課題解決に携わってきた実績をもつ。
近年は、全国400以上のクリニックに対し、予約システムをはじめとするクラウド型サービスの導入支援を実施。クリニックの業務フローを俯瞰し、現場の導線改善・業務効率化・患者体験の向上を実現する支援に注力している。医師・スタッフ・患者それぞれの立場を考慮したバランスのとれた改善提案が強み。
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