2026.01.05
活用ノウハウ
消化器内科・内視鏡クリニックは、月間何件の内視鏡検査を目指す?

消化器内科・内視鏡クリニックの開業を検討している中で、「月にどれくらい内視鏡検査ができれば、クリニックとして安定した運営ができるのか分からない」「勤務医時代と比べて、どの程度の件数を目指すのが現実的なのか判断がつかない」といったご相談をいただきました。
確かに、内視鏡クリニックは外来診療と検査を並行して行う必要があり、単純に件数だけを追いかけると、診療の質や院内オペレーションに無理が生じることも少なくありません。では実際のところ、消化器内科・内視鏡クリニックでは、どの程度の検査件数を目安に考えるのがよいのでしょうか。
今回は、これまで多くの内視鏡クリニックの立ち上げや運営を見てきた立場から、無理のない件数設計の考え方を整理してお話しします。(患者動線DXコンサルタント:江橋俊臣)
内視鏡クリニック開業時に目安となる件数の考え方
── 消化器内科・内視鏡クリニックを開業する場合、まず目安にすべき件数はどのくらいなのでしょうか?
江橋:
ひとつの目安として考えやすいのが、月間150件前後の内視鏡検査です。
これは上部内視鏡と大腸内視鏡を合算した件数になります。多くの先生が、勤務医時代よりも安定した診療体制を築きたいと考えられますが、その中で診療の質を保ちつつ、クリニックとして無理なく回り始めるラインが、このあたりだと感じています。
上部内視鏡と大腸内視鏡の現実的な割合
── 上部内視鏡と大腸内視鏡の割合は、どのように考えるのがよいのでしょうか?
江橋:
月150件を目指す場合、上部内視鏡と大腸内視鏡の割合は、おおよそ6対4程度になるケースが多いです。
上部内視鏡のほうが検査時間や準備の面で対応しやすく、大腸内視鏡は前処置や患者さんの負担も考慮する必要があるため、結果としてこのくらいの比率に落ち着くことが多い印象です。
月150件は1日あたり何件になるのか
── 月150件というと、1日あたりではどのくらいの件数になるのでしょうか?
江橋:
月150件を稼働日で割ると、1日あたり7件から8件程度になります。
開業直後からこの件数を目指す必要はありませんが、開業から半年ほど経過したタイミングで、この水準に無理なく到達できていると、その後の運営が安定しやすくなります。
件数を伸ばすために意識すべき診療設計のポイント
── 内視鏡検査の件数を増やしていくために、気をつけるべき点はありますか?
江橋:
いくつかありますが、大きなポイントは三つです。
一つ目は、診療日や診療時間の設計です。
特に、土日診療を行うかどうかは、検査件数に大きく影響します。平日に時間を取りにくい患者さんにとって、土日の内視鏡枠があることは受診の決め手になりやすいです。
二つ目は、予約枠の組み方です。
午前中に上部内視鏡、大腸内視鏡、外来診療をどのようなバランスで配置するかによって、同じ時間でも回せる件数は大きく変わります。
三つ目は、情報の届け方です。
駅名と内視鏡、胃カメラや大腸カメラといった患者さんが実際に検索するキーワードで、必要な情報がきちんと届いていることが重要です。
医師1人で運営する場合の現実的な上限
── 医師1人で内視鏡クリニックを運営する場合、どのくらいが限界なのでしょうか?
江橋:
実際には、月400件から500件近く行っているクリニックも存在します。
ただし、その場合、医師への負担はかなり大きくなります。長く続けることを前提に考えると、医師1人で無理なく回せる件数は、月300件前後が現実的な上限だと考えています。
外来診療と内視鏡検査のバランスの考え方
── 外来診療と内視鏡検査のバランスは、どのように考えるべきでしょうか?
江橋:
月150件前後の内視鏡検査を行っている段階では、1日あたりの外来診療が50人から60人程度、1日あたりの内視鏡件数が6件から7件程度になることが多いです。
外来診療が1日60人を超え、さらに内視鏡検査の件数を増やしていきたいとお考えであれば、予約枠の拡大を検討する必要があります。
ここで注意したいのが、内視鏡検査の予約が2ヶ月、3ヶ月待ちという状況になった場合です。内視鏡検査までの日数が長くなりすぎると、患者さんが他院へ流れてしまう離脱リスクが高まります。そうした状況が見え始めたら、早めに内視鏡検査の枠を増やせる体制を検討しておくことをおすすめします。
まとめとして伝えたい件数設計の考え方
── 最後に、内視鏡クリニックの件数設計で大切なことを教えてください。
江橋:
内視鏡クリニックの件数設計で大切なのは、どこまで増やすかではなく、どこまでなら無理なく続けられるかを考えることです。
月150件は、ひとつの合格点となるラインであり、月300件は、体制が整った上で目指しやすい理想的なラインです。
数字はあくまで目安ですが、自院の診療スタイルや体制に合った件数を設計することが、結果として安定したクリニック運営につながっていきます。
まとめ
(1)消化器内科・内視鏡クリニックでは、まずは月150件前後の内視鏡検査を、無理なく回せる体制を整えることがひとつの目安となる。
(2)上部内視鏡と大腸内視鏡のバランスや予約設計、診療時間の考え方によって、同じ診療日数でも対応できる件数は大きく変わる。
(3)件数をどこまで増やすかではなく、診療の質と持続性を保ちながら続けられる件数を見極めることが、安定したクリニック運営につながる。
本記事を解説した専門家

患者動線コンサルタント
株式会社レイヤード
江橋俊臣
えばし としおみ
得意な診療科目:消化器科、皮膚科、整形外科、内科
約20年間、企業や医療機関のデジタル化を支援。ITコンサルタントとして中小企業の業務改善等の経験を活かし、10年前から医療DX領域へ。数多くの医療現場のデジタル化を推進。
医療機関向け予約システムメーカで営業本部長を務めた後、株式会社レイヤードの営業本部長に就任、現職。専門領域は、予約システムとWEB問診による「集患」と「業務効率化」。患者の待ち時間削減、医療スタッフの負担軽減、医療機関の収益向上に注力している。
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