2026.04.15
活用ノウハウ
受診予約の無断キャンセルが多いークリニックで対策できることはあるのか?

「予約システムを導入してから、無断キャンセルが増えてしまった」「同じ患者が繰り返し連絡なく来院しない」今回は、このようなご相談をいただきました。時間帯予約で枠をしっかり押さえているクリニックほど、無断キャンセルによる機会損失は大きくなります。では、無断キャンセルは防ぐことができないものなのでしょうか。医療機関の予約運用を数多く見てきた立場から、仕組みと運用の両面で取れる対策を整理してお話しします。(患者動線DXコンサルタント:毛塚牧人)
無断キャンセルで起こる収益ダメージの正体
── 予約システム導入後に無断キャンセルが増えて困っています。対策はあるのでしょうか?
毛塚:
まず、医療機関が無断キャンセルで困る最大の理由は、時間帯予約で枠が埋まっているにもかかわらず、その枠が稼働しなくなることにあります。本来であれば他の患者さんをお受けできたはずなのに、連絡なく来院されないことで機会損失が発生し、結果として収益的なダメージが生じます。
そのため、対策を考える際のポイントは「無断キャンセルをゼロにする」ことだけではなく、「無断キャンセルが起きてもダメージを最小限に抑える仕組みをつくる」ことです。
例えば、時間帯予約に加えて当日の直来や順番受付を併用することで、キャンセルが出た枠に他の患者さんをご案内できるようにしておくという方法があります。こうした併用運用を行うことで、無断キャンセルが発生しても収益への影響を抑えることが可能になります。

繰り返す患者へのシステム的なペナルティ
── 無断キャンセルを繰り返す特定の患者への対策はできるのでしょうか?
毛塚:
無断キャンセルを繰り返す方は、ある程度特定の人物像に偏ることが多いという傾向があります。最近よく聞くのは、複数のクリニックで同時に予約を取り、最も早く受診できるところにだけ来院するというケースです。
こうしたケースに対しては、システム的なペナルティ機能を活用することが有効です。
例えば、無断キャンセルが一定回数に達した場合に次回以降の予約を制限する仕組みを設けることで、「繰り返すと予約が取れなくなる」というルールを明確にできます。実際に一部の予約システムでは、このような無断キャンセル対策機能が備わっています。
1回で制限するのか、2回目以降にするのかといった基準はクリニックごとに検討が必要ですが、ルールを明文化しシステムに組み込むことで、徐々に抑止効果を高めることが期待できます。
長時間診療に限定したキャンセル料の考え方
── キャンセル料を設定することは有効なのでしょうか?
毛塚:
特に影響が大きいのは、診療時間を長く確保しているケースです。
例えば、内視鏡検査や時間を要する自由診療、心療内科の初診などは、無断キャンセルが発生した場合のインパクトが非常に大きくなります。
このような診療については、事前に予約金という形でキャンセル料を設定することが、抑止策として有効です。具体的には、事前にカード情報を登録してもらい、無断キャンセルがあった場合に予約料を引き落とすという運用を行っているクリニックもあります。カード登録が完了した時点で予約確定とするオペレーションにすることで、キャンセル防止につなげることができます。
ただし、保険診療全般にキャンセル料を設定すると、患者さんからのクレームにつながる可能性が高いため注意が必要です。あくまで「予約時間をしっかり確保している一部の診療」に限定して導入することが現実的な方法といえるでしょう。

まとめ
(1)無断キャンセルの対策は「ゼロにする」よりも「発生してもダメージを抑える仕組みづくり」が重要
(2)繰り返す患者には、予約制限などシステム的なペナルティを設けることが有効
(3)長時間診療に限って予約金やキャンセル料を設定することで抑止効果が期待できる
本記事を解説した専門家

患者動線コンサルタント
株式会社レイヤード 代表取締役社長
毛塚 牧人
けづか まきと
得意な診療科目:総合内科、耳鼻咽喉科、小児科、心療内科、皮膚科
大阪大学人間科学部卒。コンサルティング会社マネージャー、医療系ベンチャー取締役兼営業本部長を経て、2008年より現職。医療DXを専門とし、医療者・生活者双方の視点でWEB問診Symview、PRM(医療版CRM)Kakarite、予約システムWakumyを企画・開発。製品開発・セールス両面から同社のマルチプロダクト戦略を推進し、全国約4,000施設の医療機関に各プロダクトを導入。かかりつけ医や地域医療のDXをテーマに講演活動も行っている。
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