2022.12.15

活用事例

業務効率化で受付スタッフの負担軽減
 発熱外来における電話自動応答システムとWEB問診の活用事例

新型コロナの感染拡大に合わせて、発熱患者からの問い合わせも比例して増え、感染者の受け皿となるクリニックの受付業務はそのたびにひっ迫しています。

受付スタッフは、増加する受診希望やPCR検査結果の問合わせ、時にはクレームに対応する必要があります。結果としてスタッフの疲弊や、最悪の場合、離職につながるケースもあるそうです。

少しでも受付スタッフの負担を軽減するためには、業務効率化につながるシステムに頼ることも大切です。受付業務の一部をシステムが代用することで、発熱外来患者の増加にも人手をかけずに対応できるようになります。

そこで今回は、発熱外来の受付業務におけるシステム活用について事例をご紹介します。
電話自動応答システムとWEB問診を活用することで、特に受付対応の効率化が期待できます。

増加する患者対応が受付スタッフの業務を圧迫

電話で受診予約を受け付けるクリニックの場合、患者対応には2つの課題が生じます。

1つ目は、増加する電話にどう対応するか、という点です。
第7波において、弊社の電話自動応答システム アイバーを利用する医療機関の月間受電平均回数は、約540件(2022年6月)から約1,200件(2022年7月)まで急増しました。
対面での患者対応をしながら鳴り止まない電話に対応することはスタッフが疲弊することはもちろんですが、通話中で電話がつながらず患者を取りこぼすリスクもあります。

そして2つ目の課題は、長くなる電話対応時間をどう削減するか、という点です。
発熱患者の属性や、詳しい症状、周囲の陽性者の有無といった患者情報の聞き取りを電話で行うと、電話1件あたりの対応時間が長くなってしまいます。
結果として電話がつながりにくくなり、クレームが発生する場合もあります。

電話自動応答システムIverで電話対応を効率化

発熱患者には来院前に電話をしてもらうよう案内しているクリニックでは、感染拡大に合わせて電話件数も自ずと増えてしまいます。

平常時より多い電話件数に人員を増やさずに対応するには、電話対応を大幅に効率化する電話自動応答システムが役立ちます。

電話自動応答システム アイバーは、電話問合わせに対し、メニューに応じて自動音声やSMS送信で応答できるシステムです。緊急の場合は院内転送も可能です。
以下に、発熱外来でアイバーを活用できる3つの場面をご紹介します。

  1. 診療を受け付ける患者を絞り込む
    自院の発熱外来で受け付けできる患者を、アイバーの自動音声案内で絞り込みます。

    診察券を持っている患者のみを受け付ける場合は、かかりつけ、または診察券を持っている患者には受診案内を、診察券を持っていない患者には受付ができない旨を案内します。

    受付ができない患者に対しては、各自治体での検査キット配布についてや、地域の陽性者登録センターに関する案内URLをSMSで送信することで、お断り後のケアも自動で行うことができます。

    また、重症化リスクの高い基礎疾患がある方、高齢の方向けのメニューを設定すれば、重症化リスクのある患者をお断りせずに受け付けるフローの構築が可能です。
     
  2.  受付終了を自動案内
    1日の受付人数が終了した際、自動音声案内の設定を変更することで、受付終了の案内を自動で行うことができます。

    スタッフが直接お断りを入れる必要がなくなり、対応時間やストレスの軽減に繋がります。

    この場合も、受付終了の案内に加えて各自治体での検査キット配布や陽性者登録センターに関する案内を行うことで、患者の不安を解消することに繋がります。
     
  3. PCR検査結果の問合わせに自動対応
    検査結果が分かり次第クリニックから電話すると伝えても、患者から結果に関する問合わせが来てしまうケースがあります。

    この場合は、「結果がでるまでお待ちください」という内容を自動音声で案内すると、電話対応を削減できます。
    同時に、陽性判定に対する患者の不安を軽減するため、SMSで各自治体の保健局等のURLを送信し、療養証明書や配食の手配についての案内を行うことも効果的です。
▲アイバー管理画面でのメニュー設定例

WEB問診Symviewで発熱患者の情報収集を効率化

電話対応が効率化されても、受け入れ患者の情報収集には時間がかかります。例えば、年齢や性別といった属性をはじめ、症状の詳細、基礎疾患の有無など、電話口でのヒアリングには一定の時間を要します。

この電話ヒアリングを省力化しながら、さらに詳細な患者情報を収集できるツールが「WEB問診シムビュー」です。

シムビューは、患者がスマホで問診入力することで、これまで電話で聞いていた情報をスタッフの人手をかけずに収集できます。

具体的には、患者の属性や主訴、随伴症状をはじめ、重症化リスクやワクチン摂取回数といった受診に必要な情報をWEB問診上で取得することができます。

▲WEB問診シムビューを活用した発熱外来での問診例

IverとSymviewの組み合わせで受付業務フロー全体を効率化

電話自動応答システム アイバーとWEB問診シムビューは、組み合わせて使用することで、クリニックの受付業務をより効率化することができます。

実際に、これら2つのシステムを組み合わせた受付業務のフローを、1〜4の順にご紹介します。

  1. アイバーで診察券の有無をスクリーニング
    診察券を持っている患者のみを受け付ける場合、受診希望者を以下のメニューで切り分けます。

    <自動音声メニュー設定例>
    ・診察券を持っていない→受診をお断り
    ・診察券を持っている、または重症化リスクありの患者→2の案内へ進む
     
  2. アイバーからSMSでWEB問診に誘導
    診療を受け付ける患者へ、自動音声案内でWEB問診への回答を促します。

    <自動音声メニュー設定例>
    ・WEB問診へ未回答の場合→SMSでWEB問診のリンクを送信
    ・WEB問診へ回答済みの場合→院内転送
     
  3. 患者がWEB問診を入力
    SMSで送信されたリンクに従い、患者はWEB問診に入力します。

    WEB問診の入力が完了した後、完了画面に改めてクリニックに電話してもらうよう案内を表示し、患者に再度電話してもらいます。
     
  4. WEB問診を入力済みの患者に来院案内
    WEB問診の入力が完了した患者は、アイバーで院内に転送される設定なっているため(2参照)、
    スタッフから来院日時や来院方法のみ案内をします。

    院内転送された患者に対し、スタッフから直接、来院日時や来院方法の案内を行います。
▲受付業務フローのイメージ

1〜4のフローにより、院内転送される電話を、診察券を持っており、かつWEB問診に回答した患者のみに絞ることができます。電話対応をはじめとした受付業務を大幅に効率化することに加え、患者情報を詳細に把握できることで、院内の感染対策や診療の事前準備をした上での患者受け入れが可能となります。

以上、今回は電話自動応答システムとWEB問診を活用し、発熱外来における受付スタッフの業務負担を軽減する方法をご紹介しました。

2つのシステムを組み合わせて活用することで、電話件数と電話対応時間の両方を削減し、受付対応の効率化につながります。

発熱外来を実施している医療機関様で、受付スタッフの業務負担の改善にお困りのことがございましたら、お気軽にお問合せください。
貴院に合わせた電話自動応答システムとWEB問診の活用方法をご提案させていただきます。

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