2024.09.18

活用事例

【医療機関向け】オンライン診療は必要?メリット、デメリットの解説からユーザ導入事例のご紹介まで

社会の急速なデジタルニーズ増加に伴い、医療DXの必要性が年々高まってきていますが、その中でもオンライン診療システムの導入を検討している医療機関は多いのではないでしょうか?

オンライン診療は、社会のニーズに対してだけではなく、人件費の高騰や担い手不足による業務効率化の観点でも効果的です。

本記事では、導入を検討している医療機関に向けて、オンライン診療のメリットとデメリットについて解説します。

1.オンライン診療とは

オンライン診療とは、パソコンやスマホなどの情報通信機器を用いて、医師が患者の診察や検査結果の伝達、処方などの診療行為をリアルタイムに行う行為を指します。

- オンライン診療の必要性

近年、医師が不足している地域や遠隔地の患者にも医療を提供できる手段として、オンライン診療の必要性が高まっています。

また、医師の働き方改革に伴い、業務効率化や負担軽減が求められる中、新型コロナウイルスの流行により、対面診療が困難な状況でも安全かつ適切な医療を提供する手段としてオンライン診療の普及が進んでいます。
このような背景もあり、今後もオンライン診療の必要性は高まっていくと考えられます。

※参考資料:厚生労働省|オンライン診療の適切な実施に関する指針

- 患者のオンライン診療に対する意識

弊社の実施したアンケート調査では、オンライン診療の利用経験のある生活者は、10%未満だったものの、一方で、利用したいと考えている生活者は一定数(約20%)いることがわかりました。

オンライン診療の意識調査アンケート結果
『医療および、 医療機関受診に関する生活者の意識・行動に関するアンケート調査』※当社調べ

調査期間:2023年4月22日〜23日
対象:20歳以上の男女
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1218名

また、「利用したい理由、利用したときに便利に感じた理由」については、以下の結果が出ています。

オンライン診療を利用したい理由アンケート結果
『医療および、 医療機関受診に関する生活者の意識・行動に関するアンケート調査』※当社調べ

このように、生活者は一定のメリットを感じており、オンライン診療に潜在的なニーズがあることがわかります。
レイヤードのWEB問診シムビューでは、オンライン診療の利用希望者のみに適切な案内をする条件設定など、利用率を上げるための動線設計が可能です。無料相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

2.オンライン診療のメリット

オンライン診療には、医療機関側と患者側それぞれに多くのメリットがあります。

- 医療機関側のメリット

患者に説明する医師

①治療継続率が向上する可能性も

病院に通う時間がない方や通院負担の大きい高齢者の方など、治療を離脱してしまう患者は一定数存在します。オンライン診療では、患者が自宅や職場などから容易に診療を受けられるため、通院の手間や交通の不便さが軽減され、治療継続率の向上が期待できます。

とくに、慢性疾患の患者は定期的なフォローアップが重要ですが、オンライン診療なら通院の負担が少なく、診察のキャンセルや中断のリスクが減ります。

患者の分散化、業務効率化の促進

クリニックによっては、平日は仕事で忙しい働き世代の患者が土日に集中してしまうケースがあるかと思います。
オンライン診療を導入することで直接来院する患者を減らすことができるため、待合室での混雑緩和(患者の分散化)が期待できます。

また、直接来院する患者が減れば、院内での受付や順番が来た際の呼び出しなどが必要なく、医師がオンライン診療にアクセスするだけで診察を進められるため、クリニックの業務効率化にもつながります。

③院内の感染防止対策

オンライン診療では、患者が自宅から診療を受けられるため、クリニックの待合室や診察室での対面接触が大幅に減少し、院内感染のリスクを低減できます。とくに、コロナウィルスやインフルエンザなどの感染症の流行期には、二次感染を防ぐ手段として効果的です。

- 患者側のメリット

医師の説明をきく患者

①遠方でも診察を受けられる

オンライン診療では、自身のスマートフォンやパソコンを使って、好きな場所で受診できるため、遠方に住んでいる患者でも医師の診察を受けることが可能です。とくに専門医が少ない地域や、通院が難しい患者にとっては、適切な診療を受けるための重要な選択肢となります。

また、「あの専門医の診察を受けたいけど、遠いから来院できない」など地理的な制約もないため、クリニックを選ぶ際の選択の幅が広がります。

②通院にかかる負担やリスクが少ない

通院にかかる時間や来院後の待ち時間を削減できます。
患者は自宅で診察を受けることができるため、診察の時間まで自由に過ごすことが可能です。

交通費の負担や待機時間のストレスが軽減されるため、直接来院するよりも気軽に通院することができます。また、コロナウィルスやインフルエンザなどの感染防止にも繋がります。

医師以外の受付や他の患者と顔を合わせなくて済むため、婦人科や泌尿器、精神科などできるだけ人を避けたい内容でもプライバシーが守られます。

③薬の郵送も可能

オンライン診療では、診察後に処方された薬を郵送してもらうことが可能です。

とくに慢性疾患の患者や定期的に薬を必要とする患者にとって、薬を受け取りに行く手間を省けるため、非常に便利です。薬の受け取りが容易になることで、治療を継続しやすくなります。

3.オンライン診療のデメリットと対応

オンライン診療には、対面診療に比べて細やかな診察ができないといったデメリットもあります。
適切な対応を行い、それらの問題を最小限に抑えることが重要です。

PCを見て悩む医師

①通信トラブルで十分な診察が行えないリスクも

オンライン診療では、インターネット環境によって診察がスムーズに進まない場合があります。
映像が遅れたり止まったりすることで、診察の質が低下するリスクがあります。

対応例
・クリニックのホームページやWEB問診、予約システム上で、推奨するインターネット環境や接続方法について説明する
・診察前にSMSなどでリマインダーを送り、患者に事前準備を意識してもらう

②高齢者やITに不慣れな人にはハードルが高い

オンライン診療を利用する際に必要なアプリのダウンロードやビデオ通話の操作が高齢者やITに不慣れな患者にとってはハードルが高いことがあります。

対応例
Symviewオンライン診療など、アプリのダウンロードや追加の利用料が不要なシステムを選ぶ
・ホームページ上やSMSのメッセージで、利用方法についてわかりやすいガイドやサポートを提供する

③オンライン診療に不向きな疾患や症状も

例えば、心臓病や慢性腎疾患など、頻繁に血液検査やエコー検査が必要な病気は、オンライン診療に適していません。
これらは定期的な対面診察が必要であり、状態の急変にも迅速に対応できる環境が求められます。

「複雑な身体検査や診察」「特定の手技が必要な疾患」「皮膚の発疹や腫瘍の確認」など、オンライン診療だけでは診断のための情報が不足する可能性があります。

対応例
・疾患や症状でオンライン診療と対面診療を使い分ける
・オンライン診療後に対面診療を推奨し、必要な検査等を行う

④対面診療よりも診療報酬が低い

令和4年度の診療報酬改定で特別措置が取られ、現状の初診料の点数差は、37点となっています(令和6年9月現在)。

オンライン診療の診療報酬の変遷
出典:内閣府ホームぺージ|オンライン診療等の診療報酬上の評価見直しについて

対応例
・オンライン診療のメリットや効率性をPRし、患者数の増加や運営の効率化を進める

⑤オンライン診療の利用率が上がらない

コロナ禍以降、本格的に導入され始めたオンライン診療ですが、以下のような課題もあり、2024年現在の普及率は高いものではありません。

医療機関側の課題
・オンライン診療を始めるための「インフラ整備」や「オンライン診療の提供体制」の整備(施設基準)
・IT知識や技術な障壁

患者側の課題
・高齢者などオンライン診療に対する抵抗感や不安
・オンライン診療の認知度の不足

対応例
・初診患者にはホームページ、既存患者にはLINEや院内掲示などを用いて、オンライン診療の対象となる疾患や利用方法を案内し、患者に関心を持ってもらう
・患者がスムーズにオンライン診療を利用できる動線設計にしておく

レイヤードのWEB問診シムビューでは、オンライン診療の利用希望者のみに適切な案内をする条件設定など、利用率を上げるための動線設計が可能です。無料相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

4.オンライン診療の効果的な活用シーン

オンライン診療のメリット、デメリットをご紹介しました。
この章では、オンライン診療の効果的な活用シーンについてご紹介します。

オンライン診療中の医師

①定期通院

オンライン診療は、比較的症状が安定している慢性疾患患者の定期通院に活用いただけます。

例えば、糖尿病や高血圧、高脂血症、喘息などの生活習慣病は、血糖値や血圧のモニタリング、薬の処方などの管理がオンラインで可能です。また、こうした疾患は患者が自宅で症状を把握しやすく、オンラインでも医師との適切なコミュニケーションが可能です。

通院の負担がなく、適切な診療も受けられることで、通院の継続率の向上も期待できるでしょう。

②発熱外来

発熱などの体調不良時に外出するのは困難な場合があります。

オンライン診療を利用することで、自宅での診察が可能となり、患者の負担を軽減し、診療の継続性を保つことができます。また、発熱患者が直接院内に来ると、他の患者や医療スタッフへの感染リスクが高まりますが、オンライン診療を活用することで、院内感染や二次感染の防止に繋がります。

③検査結果の説明やカウンセリング

血液検査やCTスキャンについて、後日検査結果が判明する場合、患者は再度来院する必要がありますが、オンライン診療を使えば、自宅にいながら説明を受けることができます。

美容皮膚科などでは、自由診療における治療内容の説明やカウンセリングにもオンライン診療が活用されます。
例えば、美容治療のプランや施術後のケアに関する詳細な説明をオンラインで行うことで、患者は自宅でじっくりと情報を確認し、納得した上で施術を受けることができます。

これにより、医療機関側のコスト削減や患者の時間の節約が実現します。
オンライン診療の活用シーン、メリットについてもっと知りたい方は、以下もご確認ください。

5.ユーザー導入事例のご紹介

実際に弊社Symviewオンライン診療をご採用いただいた医療機関の導入事例をご紹介します。

厚生労働省の「オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集」もご参考ください。

6.Symviewオンライン診療ならさらに効果的

医療機関にとっても、患者にとってもメリットの多いオンライン診療ですが、Symviewオンライン診療ならさらに効果的です。

スマホでWEB問診

- 診察効率の向上

オンライン診療では、事前の紙問診が取得できないことで診察効率が落ちやすい傾向があります。

WEB問診シムビューで詳細な事前問診を取得することで、医療者にとっては診察効率が上がり、患者にとっては短い診察時間の中でも伝え漏れを防ぐことにつながります。視覚以外の情報が少ないオンライン診療においては重要な役割を果たします。

- 一気通貫で完結

WEB問診シムビューでは、問診機能だけでなく、ビデオ通話機能を標準搭載しています。オンライン診療の導入にあたって、別途サービスを契約する必要がないため、コストが抑えられます。スマート決済も対応しておりますので、問診・診察・決済までの一連をオンラインで完結できます。

詳細については、Symviewオンライン診療の特徴・機能をご確認ください。

まとめ

本記事では、オンライン診療のメリット、デメリット、導入事例などについて紹介しました。

社会の急速なデジタルニーズの増加に伴い、医療DXが必須となっておりますが、とくにオンライン診療は、人件費高騰・担い手不足による業務効率化などクリニックの課題を解決するカギとなります。

「オンライン診療をはじめたいけど、何からはじめればいい?」「他のクリニックでは、どのように運用している?」など、オンライン診療システムの導入にあたって気になる点がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。

株式会社レイヤード
自社開発のWEB問診シムビューは、全国約1,800以上の医療機関に導入され、月間の問診回答数は単月で130万件を突破(累計でも1000万件を突破)しています。その実績を基に、WEB問診システム導入検討時の役立つ情報や、実際のユーザの活用事例なども発信しています。
※記載の情報は2024年9月末時点の情報

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