2026.01.05
活用ノウハウ
消化器内科・内視鏡クリニックで内視鏡検査の予約が増えない理由と対策

今回は、「内視鏡検査の予約枠を用意しているのに埋まらない」「胃カメラや大腸カメラをもっと増やしたいが、なかなか件数が伸びない」といったご相談をいただきました。
実際、消化器内科・内視鏡クリニックでは、検査枠自体は確保しているものの、予約につながらず空きが出てしまうケースが少なくありません。その背景には、集患の問題だけでなく、ホームページやWeb予約の設計、診察と検査の導線の作り方など、いくつか共通するポイントがあります。
今回は、これまで多くの医療機関の患者動線や予約運用を見てきた立場から、内視鏡検査の予約が増えない理由と、その具体的な対策について整理してお話しします。(患者動線DXコンサルタント:江橋俊臣)
内視鏡検査の予約が増えない背景にある大きな原因
── 内視鏡検査の予約が増えない一番の理由は何なのでしょうか?
江橋:
一つ大きな要因として考えられるのが、そもそもホームページへの流入が少ないことです。
患者さんは「胃カメラ」「大腸カメラ」といった検査名に地域名を組み合わせて検索することが多いですが、そのときに自院のホームページが検索結果の上位に表示されていないと、検討の土俵にすら上がりません。実際、検索したときに自院のホームページが出てこないこと自体が、内視鏡検査の予約が入らない大きな要因になっているケースは多いです。
ホームページへの流入を増やすために考えられる対策
── ホームページへの流入を増やすためには、どのような対策が考えられるのでしょうか?
江橋:
代表的なものとしては三つあります。
一つ目はSEO対策で、地域名と検査名を組み合わせた検索で上位に表示されるようにすることです。二つ目はGoogleマップを活用したMEO対策で、近隣の内視鏡クリニックを探している患者さんに見つけてもらいやすくすることです。三つ目はGoogleのリスティング広告で、特に競合が多いエリアでは有効な手段になることがあります。
いずれにしても、まずは患者さんに見つけてもらえる状態をつくることが前提になります。
WEB予約の設計が内視鏡検査の予約を妨げているケース
── 流入はあるのに、内視鏡検査の予約が増えないのはなぜなのでしょうか?
江橋:
その場合は、WEB予約の設計が原因になっていることが多いです。よくあるのが、胃カメラや大腸カメラを受けるには必ず事前に診察が必要という考えから、WEBでは診察予約しか取れない設計になっているケースです。その結果、検査を希望している患者さんが予約の途中で離脱してしまいます。最近では、内視鏡検査そのものをWEBで直接予約できるクリニックが増えており、検査予約を起点にした導線をつくることが重要になっています。
診察が必要な検査をWEBで予約させる考え方
── 診察が必要な内視鏡検査を、先にWebで予約させても問題はないのでしょうか?
江橋:
問題ありませんが、予約の導線をきちんと設計することが大切です。
例えば大腸カメラの場合は、検査予約をWEBで取ってもらったうえで、事前診察も必須であることを予約画面で明示し、検査日とは別日に事前診察の予約を取ってもらう運用が一般的です。
一方、胃カメラについては、検査当日に事前診察を行うケースが多いため、検査予約を直接WEBで受け付ける形と相性が良いです。診察予約を先に取らせる設計よりも、検査予約を起点にしたほうが、結果として予約数が増えやすい傾向があります。
事前診察を予約しない患者への対応方法
── 事前診察の予約を取らない患者さんがいた場合は、どのように対応しているのでしょうか?
江橋:
対応は大きく二つに分かれます。一つは、検査日の数日前に受付スタッフが事前診察の予約状況を確認し、未予約の場合は電話で案内する方法です。もう一つは、予約画面に「事前診察がない場合は検査予約をキャンセルすることがあります」といった文言をあらかじめ記載し、ルールとして運用する方法です。どちらの場合でも、受付スタッフが確認するタイミングと対応方法を明確にしておくことが重要です。
WEB問診を活用した内視鏡検査への誘導
── 内視鏡検査の予約を増やすために、他にできる工夫はありますか?
江橋:
一つの方法として、WEB問診を活用した検査誘導があります。例えば、腹痛がある、便秘や下痢が続いているといった症状をWEB問診で選択した患者さんに対して、医師が内視鏡検査を勧める可能性があることを伝え、希望があればチェックしてもらう設問を入れます。これにより、診察前から患者さんが検査を選択肢として認識でき、診察時の説明もスムーズになります。
── 実際に、WEB問診からどれくらい内視鏡検査につながるのでしょうか?
江橋:
症状にもよりますが、慢性的な症状がある患者さんの場合、半分程度が内視鏡検査を希望するケースが多い印象です。すべての患者さんが検査を受けるわけではありませんが、あらかじめ検査の可能性を提示しておくことで、検査への心理的なハードルを下げる効果があります。
WEB問診を活用して内視鏡検査数が増えた事例はこちら
https://layered.inc/works/voice/yamauchimedicalclinic/
予約が増えないクリニックに共通する注意点
── 内視鏡検査の予約が増えないクリニックに共通する注意点はありますか?
江橋:
よくあるのが、内視鏡検査のWEB予約枠を午後にしか開けていないケースです。患者さんの多くは午前中の検査を希望するため、午前枠を閉じているだけで機会損失が生まれてしまいます。人気の時間帯に予約枠を開放できているかどうかは、必ず見直していただきたいポイントです。
内視鏡検査の予約を増やすために見直すべきポイント
── 最後に、内視鏡検査の予約を増やすために重要なポイントを教えてください。
江橋:
内視鏡検査の予約が増えない場合は、検索時にクリニックが見つかる状態になっているか、WEBで検査予約が直接取れる設計になっているか、事前診察の導線と運用が整理されているか、WEB問診で検査の選択肢を提示できているか、そして人気の時間帯に予約枠を開けているかを確認してみてください。枠があるのに埋まらない場合は、予約導線全体を見直すことで改善できる余地があるケースは多いです。
まとめ
(1)内視鏡件数が増えない主因は直来中心の外来設計にあり、午前中は時間帯予約へ切り替えることが重要
(2)診察と内視鏡を並行運用し、9〜11時は胃カメラ、11時以降は大腸カメラ中心に枠を再設計する
(3)午後は無理に内視鏡を入れず、時間帯ごとの役割分担で安定した件数確保を目指す
本記事を解説した専門家

患者動線コンサルタント
株式会社レイヤード
江橋俊臣
えばし としおみ
得意な診療科目:消化器科、皮膚科、整形外科、内科
約20年間、企業や医療機関のデジタル化を支援。ITコンサルタントとして中小企業の業務改善等の経験を活かし、10年前から医療DX領域へ。数多くの医療現場のデジタル化を推進。
医療機関向け予約システムメーカで営業本部長を務めた後、株式会社レイヤードの営業本部長に就任、現職。専門領域は、予約システムとWEB問診による「集患」と「業務効率化」。患者の待ち時間削減、医療スタッフの負担軽減、医療機関の収益向上に注力している。
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