2026.01.07
活用ノウハウ
消化器内科・内視鏡クリニックで内視鏡検査を増やしたい―内視鏡を増やせる予約の仕組み

今回は、消化器内科・内視鏡クリニックの先生から
「内視鏡検査を増やしたいと考えているが、外来が忙しく、なかなか内視鏡の枠を確保できない」
「今の外来や予約の取り方が、内視鏡を増やす設計になっているのか判断できず、見直すべきか悩んでいる」
といったご相談をいただきました。
消化器内科では、一般外来と内視鏡検査を同じ時間帯で運用するケースも多く、予約や外来の設計次第で、内視鏡件数が大きく伸びることもあれば、逆に頭打ちになってしまうこともあります。では実際のところ、消化器内科・内視鏡クリニックでは、どのように予約の仕組みを考え、どの時間帯にどの検査を配置するのが適しているのでしょうか。
今回は、患者動線と予約運用の観点から、内視鏡検査を増やすための考え方を整理してお話しします。(患者動線DXコンサルタント:江橋俊臣)
内視鏡検査が増えない背景には外来運用の問題
── 内視鏡検査を増やしたいのに、なかなか増えないのはなぜなのでしょうか?
江橋:
多くのクリニックで見られるのが、予約なしで直接来院する患者が多い外来の体制です。
直来患者が多いと、診察の時間帯をあらかじめコントロールすることが難しくなり、結果として内視鏡検査の枠を安定して確保できなくなります。
特に午前中は、
・一般外来
・上部内視鏡(胃カメラ)
・下部内視鏡(大腸カメラ)
すべてが集中しやすい時間帯です。
この時間帯に、予約で診察時間を調整せず、直来患者を中心に受け入れる外来体制を取っていると、内視鏡検査を入れたいと思っても診察が押してしまい、結果的に検査枠が埋まらない、もしくは作れない状況になります。
午前中は時間帯予約に切り替えるという考え方
── まず見直すべきポイントはどこなのでしょうか?
江橋:
最初に見直していただきたいのは、時間帯予約の導入(もしくは変更)です。
例えば、9時から11時の時間帯を、
・診察:30分に6枠
(初診10分、再診5分を想定)
・上部内視鏡:30分に1枠
という形で設計します。
こうすることで、診察の流れをある程度コントロールしながら、内視鏡検査の枠を確保できるようになります。
診察と内視鏡を並行して回す運用設計
── 診察と内視鏡を同時に進めるのは現実的なのでしょうか?
江橋:
実際には、十分可能です。
ポイントは、内視鏡検査の準備を看護師さん主導で進めることです。
検査の準備が整った段階で看護師さんが医師を呼び、医師は診察の合間に検査室へ移動します。
実際の検査時間は、症例にもよりますが、おおよそ6〜10分程度です。
仮に余裕を見て20分確保したとしても、残りの時間で診察を進めることができるため、30分に6枠の診察と内視鏡を並行して運用することは十分現実的です。
11時以降は大腸内視鏡を中心に考える
── 午前後半から昼にかけては、どのように設計すべきなのでしょうか?
江橋:
11時以降は、大腸内視鏡を中心に設計するのが一般的です。
大腸内視鏡では、下剤の服用に最低でも3時間程度かかります。
ご高齢の方では4時間程度必要なケースもあるため、11時スタートが患者さんにとっても無理のない時間帯になります。
この時間帯では、
・上部内視鏡
・下部内視鏡
・上下同日検査
が混在するため、診察枠を午前中と同じ数で残してしまうと、院内が回らなくなります。
そのため、11時以降の診察枠は30分に2枠程度まで減らし、内視鏡検査を優先する設計をおすすめしています。
午後は内視鏡を無理に増やさない判断も重要
── 午後の内視鏡枠はどのように考えればよいですか?
江橋:
15時以降の午後枠については、新規の内視鏡検査はほとんど入らないケースが多いです。
長年運用を見てきても、リピート検査を除けば、午後に新たな内視鏡枠を広げても埋まりにくい傾向があります。
そのため、午後は無理に内視鏡を増やそうとせず、診察中心の時間帯として割り切る判断も重要です。
内視鏡検査の件数は予約と時間帯設計で決まる
── 内視鏡を増やしたいクリニックへのメッセージをお願いします
江橋:
内視鏡検査が増えない原因は、医師の技術や意欲の問題ではなく、外来と予約の設計にあるケースがほとんどです。
・午前中を時間帯予約に切り替える
・診察と内視鏡を並行して回す
・時間帯ごとに役割を明確に分ける
この3点を整理するだけでも、内視鏡検査を安定して増やせる体制は十分に構築できます。
無理に頑張るのではなく、仕組みを整えることが、結果として患者さんの満足度とクリニック経営の安定につながります。
まとめ
(1)内視鏡検査が増えない背景には、直来患者が多い外来体制と予約設計の問題がある
(2)午前中を時間帯予約に切り替え、診察と内視鏡を並行運用することで検査枠を確保しやすくなる
(3)時間帯ごとに役割を整理し、無理のない外来設計を行うことが内視鏡件数増加の鍵となる
本記事を解説した専門家

患者動線コンサルタント
株式会社レイヤード
江橋俊臣
えばし としおみ
得意な診療科目:消化器科、皮膚科、整形外科、内科
約20年間、企業や医療機関のデジタル化を支援。ITコンサルタントとして中小企業の業務改善等の経験を活かし、10年前から医療DX領域へ。数多くの医療現場のデジタル化を推進。
医療機関向け予約システムメーカで営業本部長を務めた後、株式会社レイヤードの営業本部長に就任、現職。専門領域は、予約システムとWEB問診による「集患」と「業務効率化」。患者の待ち時間削減、医療スタッフの負担軽減、医療機関の収益向上に注力している。
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