2026.04.15

活用ノウハウ

効率的にインフルエンザワクチンに対応する方法とは?一般診療と併用の考え方

インフルエンザワクチンの時期になると、予約が一気に集中し、電話が鳴り止まない、一般診療との兼ね合いで院内が混雑する、といったお悩みを多くいただきます。今回は、「一般診療と併用しながら、どう効率的にインフルエンザワクチンを運用すればよいのか」というご相談に対して、クリニックの患者動線設計の観点から整理してお話しします。(患者動線DXコンサルタント:石井聡

インフルエンザワクチン運用の3つの基本パターン

── インフルエンザワクチンの運用方法には、どのような選択肢があるのでしょうか?

石井:
大きく分けると、インフルエンザワクチンの運用は3つのパターンがあります。

1つ目は、通常の診察時間内で一般診療とあわせてワクチン接種も行う方法です。
2つ目は、ワクチン接種専用の時間帯や曜日を設け、その枠でまとめて対応する方法です。
3つ目は、一般診療と同じ時間帯の中で実施するものの、「診察」と「インフルエンザワクチン」を予約メニューとして分け、並行して運用する方法です。

それぞれにメリット・デメリットがあり、クリニックの体制によって適した方法は異なります。

パターン① 通常の診察時間内で一般診療とあわせてワクチン接種も行う方法

石井:
1つ目の、通常診療の中でワクチンもあわせて実施する方法では、慢性的に通院している患者さんが診察のついでにワクチンを打てるという利便性があります。患者さんにとっては来院回数を増やさずに済むという点でメリットがあります。

一方で、ワクチン目的の患者さんから見ると、風邪症状のある患者さんと同じ時間帯に来院することになるため、「感染リスクが気になる」という声が出ることもあります。

パターン② ワクチン接種専用の時間帯や曜日を設けてまとめて対応する方法

石井:
2つ目の、ワクチン専用の時間帯や曜日を設ける方法では、対象患者をその時間に集中させることができます。
また、クリニックによっては午前診療と午後診療の間にクリーンタイムを設け、風邪症状の患者さんが来ない時間帯にワクチン接種のみを行うといった工夫をしているところもあります。

パターン③ 一般診療と同じ時間帯で予約メニューを分けて並行して実施する方法

石井:
3つ目の、予約メニューを分けて一般診療と並行実施する方法は、ある程度スタッフの人数に余力がある場合に有効です。看護師などのコメディカルスタッフと医師がうまく連携できれば、一般診療の患者さんとワクチン接種の患者さんを大きく待たせることなく回すことが可能になります。

それぞれにメリット・デメリットを理解した上で、最終的には、スタッフのリソースと院長の運営方針によって、貴院にとって最適なパターンを採用してください。

WEB予約を前提に設計しなければ電話対応が逼迫する

── 予約が集中する中で、運用面で特に注意すべきことは何でしょうか?

石井:
インフルエンザワクチンはシーズンが限られており、短期間に予約が殺到します。どの運用方法を選ぶにしても、可能な限り、WEB予約へ誘導することが非常に重要です。
WEB予約を徹底しないと、電話対応にスタッフの手が取られてしまい、一般診療にまで影響が出てしまいます。

高齢の患者さんなどWEB予約が難しい層については、定期的に通院している患者さんに限って院内でワクチンの予約を取るなど、対応範囲を明確にすることが現実的です。
一方で、普段受診していない高齢の患者さんまで個別対応するのかどうかは、あらかじめ方針を決めておく必要があります。WEB予約を前提とするのか、それとも一部例外を設けるのかを明確にしないと、現場が混乱します。

まずはWEB予約を前提に、どの時間帯でどのパターンを採用するのかを設計することが大切です。

WEB問診の予診票とスマート決済を組み合わせて回転率を高める

── より効率的に回すための工夫はありますか?

石井:
WEB予約とあわせて、WEB問診で予診票のオンライン化を組み合わせることで、当日の受付業務を大きく効率化できます。
WEB問診Symviewでは、インフルエンザワクチンの予診票を用意しています。この予診票を事前に入力してもらえば、来院後の記入作業が不要になり、受付から接種までの流れがよりスムーズになります。

さらに、スマート決済を組み合わせれば、会計待ちの時間も削減できます。特にワクチン接種の患者さんは比較的スマートフォン利用に抵抗が少ない層も多く、料金もあらかじめわかるので、事前決済との相性は良いと言えます。

予約・WEB問診の予診票・決済を一連の流れとして設計することで、限られたシーズンの中でも効率的に多くの患者さんに対応できる体制を整えることが可能になります。

まとめ

(1)インフルエンザワクチン運用は「通常診療内」「専用時間帯」「予約メニュー分離併用」の3パターンがある
(2)どの方法でもWEB予約への誘導を前提にしないと電話対応が逼迫する
(3)WEB問診の予診票とスマート決済を組み合わせることで、短期間でも効率的に患者を回せる

本記事を解説した専門家

患者動線コンサルタント

株式会社レイヤード

石井聡

いしい さとし

得意な診療科目:眼科、小児科、皮膚科、内科

医療IT業界において約20年にわたり、介護保険のシステム開発、大規模病院向けの業務改善ソリューション提案など、医療機関の多用な課題解決に携わってきた実績をもつ。
近年は、全国400以上のクリニックに対し、予約システムをはじめとするクラウド型サービスの導入支援を実施。クリニックの業務フローを俯瞰し、現場の導線改善・業務効率化・患者体験の向上を実現する支援に注力している。医師・スタッフ・患者それぞれの立場を考慮したバランスのとれた改善提案が強み。


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