2026.02.16

導入事例

1日100人来院する婦人科で無人受付利用率96%
受付1人でも無理なく回る受付体制とは?

東京都日野市

かなでる女性クリニック日野


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診療科目

2024年7月、東京都日野市に開業した「かなでる女性クリニック日野」様は、20~40代を中心に小児から高齢者まで幅広い世代の女性を診療する婦人科クリニックです。

同院では、WEBを前提とした診療体制を構築しており、開業当初から予約システム「ワクミー」、WEB問診「シムビュー」、電話自動応答システム「アイバー」を活用されています。さらに、2025年10月から受付業務の省力化を目的として「無人受付ソリューション」も導入され、診察時間や待ち時間が長くなりがちな婦人科診療において、受付1名・医師1名体制による効率的な診療を実現されています。

院長の野木先生は「行きたいときにすっと来られる」「気軽に通って、簡単に医療を受けられるようにしたい」という想いのもと、システムによる効率化や診療体制の工夫を重ねているそうです。

本記事では、無人受付ソリューションを導入した背景や狙い、導入後に生まれた受付業務や院内オペレーションの変化、そして現場で感じている効果や運用の工夫についてお話を伺います。

WEB対応を前提にした診療体制と待ち時間対策

―― まずは、開業時からWEB予約・WEB問診システムを導入した経緯を教えてください。

当院は若い患者さんが多いため、まず、予約についてはWEB予約を前提で考えていました。

仕事や学校の合間に来院される方も多く、電話をかける時間を確保しづらい方も少なくありません。
とくに若い世代では、「予約はWEBで完結するもの」という認識も一般的になっていますよね。そうした背景からも、WEB予約システムの導入はごく自然な選択でした。

また、「待ち時間の対策」も理由の一つです。
婦人科は同じ診療内容でも、患者さんによって症状や相談内容の幅が広く、診察時間にばらつきが出やすい診療科です。
そのため、少しの遅れが待ち時間として積み重なりやすく、どうしても待ち時間が発生しやすくなってしまいます。

そうした状況をできるだけ避けるためにも、来院時間をうまく分散できる予約システム(時間帯予約)が必要と考えました。

―― WEB予約だけではなく、WEB問診も一緒に導入したのはなぜでしょうか?

電子カルテを使う前提だったので、紙の問診票を書いてもらって、それを後から転記するのは、さすがに手間がかかるなと思っていました。

また、婦人科の問診は、患者さんにとってデリケートな内容が多くなります。そうした内容を一つひとつ口頭で確認することに抵抗を感じる患者さんも少なくありません。

そのため、基本的にはWEB問診で全て回答してもらい、診察時には必要なところだけ聞くというスタイルにしたいと考えました。業務効率化の点でももちろん、患者さんの利便性やプライバシーを考えるとWEBが良いですよね。

―― 実際に利用されてみていかがでしょうか?

すごく便利だと感じています。

開業時から利用しているので、利用していない場合との比較ができないのですが、知り合いのクリニックも電話予約からWEB予約に切り替えていたので、やっぱり電話予約は大変なんだろうなと感じています。最初からWEB予約とWEB問診を導入して良かったです。

電話対応が受付業務を圧迫していた開業当初の課題

―― 電話自動応答システムは、開業から2ヵ月後に導入されていますね。何か課題がみえてきたのでしょうか?

そうですね。とにかく、開業当初から電話がとても多くて、なんとかしたいと思っていました。
WEB予約を導入していても、電話の問い合わせ自体は減らず、常に電話が鳴っているような状態でした。

当時は、ホームページに問い合わせフォームを設けていなかったこともあり、 初診患者さんからの 「この検査はやっていますか?」 といった問い合わせや、業者からの連絡などが多く、 とりあえず電話で聞くしかないという状況だったと思います。

電話を切ったらすぐ次がかかってくるような状態で、実際に「電話がつながらない」という苦情が出るほどでした。これは何とかしないととレイヤードさんに相談したところ紹介いただきました。

―― 実際に導入されてみていかがでしょうか?

電話の本数自体は、かなり減っています。最初の頃は、とりあえず電話をつなげたいという方が多いのか、院内につながる番号を押されてしまうケースも多くなかなか電話の件数が減らなかったのですが、設定を工夫することで改善しています。

具体的には、「業者からの問い合わせ」を取引の有無に関わらずホームぺージの問い合わせフォームに誘導されるようにしました。また、緊急性の低い「その他のお問い合わせ」についても同様の対応です。

アイバーの導入前は電話対応でスタッフがずっと手を取られてしまうような状況だったので、アイバーによる削減効果はとても感じています。現在かかってくるのは、薬局からの疑義照会や日中しか対応できない行政からの連絡など、 どうしても電話で対応しなければならないものが中心です。

無人受付の導入へ ー 待ち時間の主因は「受付の詰まり」 

―― 受付の効率化が順調に進んでいる印象です。今回無人受付を導入されたのはなぜでしょうか?

一番の課題は、待ち時間の長さでした。
WEB予約や電話自動応答システムの導入で受付スタッフの業務効率化は進んでいたものの、患者さんが来院した後の受付対応に時間がかかってしまい、その分お待たせしてしまうことが多かったんです。

待ち時間は何とかしたいという思いがありましたが、正直なところ、どこが一番ネックになっているのかは、はっきり分かっていませんでした。
そんな中、事務に相談してみたところ「受付が自動になってくれたら」という声が上がったため、無人受付の導入を検討することにしました。

―― 当時の受付は、具体的にはどのような状態だったのでしょうか?

当院は、会計1人、受付1人の体制ですので、基本的に受付対応を行うスタッフは1人です。
その1人が患者さんから診察券を受け取ってパソコンで処理をして電子カルテで受付を行い、その後の検査や処置の案内までを担当しています。

婦人科の場合、患者さんによって受付後に必要な対応が異なります。ピルの人は血圧を測らせたりとか、妊婦や膀胱炎の患者さんは尿検査もしてもらったりとか、受付後の処理や検査誘導などやることが結構多いんです。こうした受付対応の一連の業務を1人で行っていたため、患者さんが多い時間帯などは処理が追い付かない状況でした。

例えば、電子カルテ上では患者さんは来院していないように見えるのに待合室はざわついていることがありました。様子を見に行くと、受付処理が間に合わず、診察券だけ預かったまま受付されるのを待っている患者さんで混み合っている状況だったんです。

受付が詰まると、その先の検査に進めず、診察室にも呼べない。結果として、待ち時間が伸びてしまうという状況が続いていたのかなと思います。

無人受付による省力化で「受付1人でも回る体制」へ

―― 実際に導入して、どのような効果を感じていますか?

患者さんが来院した際、無人受付機で操作してもらうことで受付が完了しますので、受付処理が詰まらず、その後の検査や処置への案内にスムーズに移行できるようになったと感じています。

婦人科の診療は、患者さん全員が同じ流れになるわけではありません。ピルの方であれば血圧測定、妊婦さんや膀胱炎の方であれば尿検査など、受付後に必要な対応が患者さんごとに異なります。無人受付で受付だけでも先に済ませてもらえるようになったことで、「この方はこれ、次はこれ」というふうにスムーズに検査や処置の案内が出しやすくなりました。

従来のように、受付の場所で患者さんが来院するたびに診察券を預かって受付処理をする必要がなくなり、受付後の対応に人を割けるようになった点は大きな変化だと思います。

また、無人受付機で受付処理が完了した時点で電子カルテに反映されるようになりましたので、診察室からも「今、何人待っているのか」「どの患者さんが来院しているのか」など、混雑具合や診察室に来るまでの状況がリアルタイムで把握できるようになりました。

必要に応じて看護師がフォローに入ったり、事前に診察準備を行ったりなど、現場での判断もしやすくなったと感じています。

―― 課題である待ち時間の削減効果はいかがでしょうか?

待ち時間については、曜日や診療内容によって差がありますし、無人受付の導入前後で来院患者数も異なりますので、単純比較は難しいですね。現在でも混雑する時間帯にはそれなりにお待たせしてしまうこともあります。

ただ、無人受付によって来院時の受付処理が滞らなくなり、診察室側でも事前準備がしやすくなっていますので、全体としては改善しているのではないかと思います。

例えば、無人受付の導入前は、17時半に来院した患者さんが実際に診察室に回ってくるのが17時50分頃になることもあり、その後の診察で18時を過ぎてしまうことも少なくありませんでした。無人受付の導入後は、18時までに診療を終えられるケースが増えていますので、患者さんを長くお待たせしにくい流れが作れていると感じています。

―― 受付業務の省力化や診療効率化につながっているということですね。受付体制への影響やスタッフさんの反応はいかがでしょうか?

もともと受付に設置しているパソコンは一つで、受付対応を行うスタッフも1人ですので、受付スタッフの人数自体は変わっていないです。

ただ、これまで1人で行っていた受付業務のうち、来院時の受付対応や処理を無人受付に任せることで、スタッフの業務負担は大きく軽減されたかと思います。体感としては、受付対応の業務が半分になったという印象です。
残業時間も確実に減っており、現場のスタッフからも「すごく楽になった」と全体として非常に好評です。

利用率96%を実現する無人受付の運用体制

※2025年11月〜2026年1月の平均利用率:96.1%

―― 無人受付の利用率が9割以上と非常に高いですが、運用のコツや工夫があれば教えてください。

当院では、受付は基本的に無人受付を利用していただく前提の導線にしています。原則として来院された方全員に対して「受付はこちらへどうぞ」という導線となっており、皆さんに使ってもらう形です。

「受付はこちら」や「自動受付のご案内」などの掲示物のほか、マイナンバーカードを使えば誕生日などを入力しなくて済むので楽ですよ、というような案内も掲示して、「無人受付を使うのが当たり前」という導線をつくっています。

―― 開業時からではなく途中からの導入でしたが、患者さんの反応はいかがでしたか?

途中から無人受付を導入した形ですが、「受付の方法がこう変わりました」という掲示を出して、基本的には窓口では受付は行わないスタイルをとることにしました。

そのため、患者さんとしても自然と無人受付を使う流れになります。操作自体も簡単ですぐ終わるので、「気づかないうちに受付が終わっていた」という方もいたりして、 今ではほとんどの方が慣れて使ってくださっています。

導入当初は、マイナンバーカードの操作だけをして、受付の操作を忘れてしまう方もいましたが、無人受付機やマイナンバーカードリーダー端末に操作の順番がわかるよう番号を貼ったり、インスタグラムで無人受付の流れを動画で紹介したりするなど工夫を重ねることで、そういうケースも減りました。

―― 無人受付が当たり前の環境を作っているわけですね。スタッフの方も積極的にお声がけなどされているのでしょうか?

基本的には行っていないです。スタッフに余裕があったり、患者さんの状況によって必要があればお声がけすることもありますが、基本的には院内の掲示物による導線とホームページやインスタグラムでの案内で対応しています。

たまにWi-Fiの状況が悪かったり、 マイナンバーカードリーダーがうまく読み取れなかったり、WEB予約に公開していない電話予約限定のワクチンだったりは、人の手で対応していますが、それ以外はほぼ無人受付で対応できています。

無人受付を検討する医療機関へのメッセージと今後の展望

―― 無人受付の導入を検討する医療機関に向けて、一言いただけますか?

無人受付端末の操作は、想像以上に簡単です。患者さんも最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、実際に使ってみると「全然簡単じゃないか」ってすぐに慣れていただけると思います。

時間帯予約を使っているおかげかもしれませんが、無人受付機の前に列ができてしまうほどの心配もなく、自然にスムーズに導入できるのではと思います。少なくとも当院ではメリットしか感じていません。

―― ありがとうございます。最後に今後のクリニック運営について展望をお聞かせください。

まずは、もっと待ち時間を少なくしていきたいですね。患者さんがもっと気楽に来られて、行きたいときにすっと行ける。 「クリニックに行くぞ」と構えずに、気軽に通って、簡単に医療を受けられるようにしたい、というのがもともとの目標でした。

そのためにも、今後はさらに滞在時間を短くしていきたいと考えています。
システムづくりや診療体制を工夫しながら、患者さんに快適に受診していただけるようにしたいですね。帰りに寄る、という感覚で来ていただいて、さっと帰れるようなクリニックを目指していきたいと思っています。

編集後記

かなでる女性クリニック日野様の取材では、「WEBを前提とした診療体制」を設計されている点が非常に印象的でした。
無人受付は、開業時からではなく途中からの導入でしたが、院内掲示やホームページ、SNSでの丁寧な案内を重ねることで、“当たり前に使うもの”として自然に定着させていった点が印象に残っています。その結果、導入後2ヵ月目から90%以上の利用率を実現されています。特別な施策を打ったというよりも、どの医療機関でも取り組める工夫を一つひとつ積み重ねたことが、この成果につながっているのだと感じました。

野木才美先生、この度は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

※本ページに掲載している情報はすべて取材当時のものです。変更等が発生している場合がございますので最新情報はご確認ください。

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