2021.12.23

ユーザの声

事前のWEB問診で業務を先読み
 新しいツールをスタッフに浸透させるポイントとは?

奈良県香芝市

永野整形外科クリニック


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永野整形外科クリニックは院長先生だけでなく、リハ科スタッフもエコーの技術を習得し、検査・治療を充実させているクリニックです。


ドクターズクラークの配置や、効率UPの一つの手段としてICTを活用するなど患者さんが受診しやすいクリニック作りに積極的で、院内に業務効率やイノベーションの委員会を設置し常により良いクリニック運営の形を検討されています。


今回は院長先生の奥様でクリニックの事務担当をしながら、院長夫人のコンサルタント等を行う株式会社クリニックイノベーションサポートの代表を務める永野光様にWEB問診導入時のポイントを伺いました。

任せられるものはツールにシフトし、業務を属人化させないクリニック運営

WEB問診を導入していただいた経緯を教えてください。

私が担当するクリニック運営において、診療以外の業務については内容を確認しながら、任せられるものはツールに任せて一般化していくことを重視しています。当然、人材育成は行っていくのですが、各スタッフの業務やスキルが属人化してしまうことがないように配慮をしています。

感染対策のチラシでWEB問診を知ったのですが、当院では問診票をドクターズクラークが予めカルテに要約して転記しており、この部分に時間がかかることが課題でした。また、問診票の書き方は患者さんによってばらつきがあり、そのまとめ方も個人のスキルに頼る部分ができてしまいます。そういった部分の解消になればとWEB問診も検討を始めました。

導入の決め手はどんな点ですか?

実際にお話を聞いてみてWEB問診はカルテと連携でき、内容を転記するだけ済むので、ドクターズクラークの業務量と、診察開始までの時間が大幅に短縮できると思いました。

また、医院側はレントゲンの要否を判断するため問診をしっかり書いてほしいのですが、患者さん側も記入に悩んでしまうことが多いです。院内で悩むよりも来院前に自宅から入力してもらえれば待ち時間や負担も減らせますし、それぞれの質問に選択肢を用意しておけば患者さんも答えやすいと感じました。

ご高齢の方など患者さんに入力をしてもらえるかといった懸念点も少なからずありました。
しかし、入力できないと決めつけるのは良くないですし、業務負担が減り結果として案内もスムーズになると感じ導入を決めました。

理解を深めた1人のスタッフを中心に浸透

導入後、スムーズに運用をしていただいていますが、何か秘訣はありますか?

導入決定後はスタッフと営業担当の方が打ち合わせを行い、運用のすり合わせを行っていきました。今回は特にコロナ禍で患者さんが少なかったので、運用開始までにスタッフがしっかり検討する時間がとれたことがスムーズな運用につながったのだと思います。新しいツールを導入する時は準備期間をとって、十分検討した段階で開始することがポイントだと思います。そうすることで、スタッフも納得感をもって積極的に患者さんに案内するなどシステムを活用してくれます。

検討は院内全体で行うのでしょうか?

業務改善委員会で検討する機会もありますが、基本的にシステム導入時は担当部署の1人~数名に打ち合わせから参加してもらうようにしています。そのようにすることで最初に数名のスタッフに業務の変化やメリットをよく理解してもらう事がポイントです。

メリットについて全員に向けて訴えるというよりは、たった一人でもいいのでその人にわかってもらうことが重要です。その人が誰かに教えて、その輪を広げていくことで自然に浸透していくのではないかと思います。

事前の詳しい問診で業務を先読み、アシストにより年齢問わず利用可能なツール

WEB問診を導入後、どんな変化がありましたか?

色々な要素が絡んだ結果かと思いますので患者数が増えたとか、残業が減ったという数字はとれていません。ただ、ドクターズクラークは入力業務の負担が軽くなり、診察前の準備がスムーズになったと喜んでいます。

また特に初診の患者さんでは、入力いただいた内容をもとに、先読みしてレントゲンや注射の準備を整えることができるのもメリットです。待ち時間の間に外出したいという患者さんもいますが、レントゲンがある方は院内に留まってもらいたいので、そういった判断や案内もスムーズにできます。患者さんとしては待つのであればそのうちに用事を済ませたいというのは当然あると思うので、こういった案内がしっかりできるのは良かったです。

検討段階で患者さんが入力してくれるかの懸念もありました。実際運用してみてどうでしたか?

当然、中にはこういったツールが嫌いな方もいらっしゃいます。とはいえ、ご高齢の方でもスタッフのアシストがあれば嬉しそうに入力してくださることもあり、決して高齢だからできないといった事もありませんでした。今や60代、70代の多くの方がLINEなどのツールを使いこなしています。できないのでなくやり方を知らないだけという方もたくさんいらっしゃいます。はじめから高齢だからできないと決めつけるのは良くないですよね。

WEB問診はマーケティングツールとしても期待できる

診察以外の部分でWEB問診の活用場面はありますか?

WEB問診導入後、集患・増患施策を考えるイノベーション委員会で様々な施策を検討しています。その話し合いから生まれたLINEの友だち増加施策にWEB問診が一役かっています。

具体的には、窓口でWEB問診を入力していただく方にはまず、LINEのQRコードを読んでいただいて、友だち登録していただいた後、リッチメニューからWEB問診の入力をしていただいています。

さらに「臨時休診や急な受付時間の変更連絡が届くので、無駄足させるようなことが無くなると思います」とご案内することで、自然な流れで友だち登録をしていただけているようです。

今後の展望を教えてください。

リハは再発予防などしっかり行おうとすると、どうしても保険診療にならない部分もあり、自費との組み合わせが必要になってきます。今後は自費診療にも力を入れていきたいので、WEB問診で事前に興味を確認したり、案内を流したりできればと思っています。

それとWEB問診に溜まっている生のデータを活用する方法を探りたいです。CSVでダウンロードすることができるので、いろいろな分析をして今後の戦略につなげていきたいと考えています。

編集後記

永野様は「院長妻から院長夫人への42のメッセージ: 自分らしく無理せず楽するコツ」という書籍も執筆しており、書籍の中でスタッフさんとの関わり方から医院マネジメントまで院長夫人が感じる現場のリアルな悩みに回答しておられます。そこで今回はWEB問診だけでなく、チームビルディングを含む幅広いクリニック運営のお話を伺いました。

院長先生は診療に集中し、院長の診療業務を変えないよう業務効率化を進めており診療と運営をしっかりと分業されている事が特徴的だと感じます。業務効率については単にICT化を進めるのでなく、アナログの方が効率がいい部分はアナログで工夫をされており、人員や予算に制限がある中で工夫するから面白いとおっしゃっていたのがとても印象的でした。

面白いお話をたくさんお聞かせいただきありがとうございました!

※本ページに掲載している情報はすべて取材当時のものです。変更等が発生している場合がございますので最新情報はご確認ください。

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