2020.08.03

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WEB問診活用により対面診療が充実

神奈川県横浜市

十日市場こどもクリニック


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横浜市で小児科を開業する十日市場こどもクリニックの奥先生は、熊本大学でe-learningについての研究を行ってきて、クリニックにおいてもe-learningや保護者教室などを取り入れ、保護者への教育にも積極的に取り組んで来られた先生です。
十日市場こどもクリニック様では、2019年5月よりWEB問診Symviewをご利用いただいており、今回は奥先生から、WEB問診導入の効果やe-learningとの関連性、共通点などのお話をお聞きしました。
※このインタビューは2020年1月に実施しています。

WEB問診導入により1人約1分の診察時間短縮

WEB問診を導入いただき半年ほど経過しましたが、効果はいかがですか?

導入して一番効果が大きいのは診察時間の短縮と、患者さんの待ち時間の短縮だと思います。
当院ではWEB予約を導入しているのですが、予約して来院された患者さんにも受付で紙の問診票を書いていただいていました。受付で書いてもらうと、聞きたい内容を忘れてしまっていたり、書いている途中に子供が邪魔をしたりといった問題がありました。更には患者さんに書いていただいた紙の問診票をクリニック側で入力してから診察に回したり、お話を聞きながら入力したりもしていました。WEB問診を事前に家で入力いただくことで、そういった点を大幅に解消できるのが非常に大きいです。計算してみたところ、診察時間にして1人あたり約1分程度は短縮できています。診察の質は落ちていないと感じるので、その分回転も良くなりますし、患者さんからすると問診を書いている時間も含め院内での滞在時間は短縮できている計算になります。
当院では、人数によって予約枠を区切っているので、診る患者の人数自体を増やしているわけではないですが、昨年の同時期と比べると、同じ患者数でも診察終了時間が午前午後それぞれ30分程度短くなっていますね。スタッフにとってもその分残業時間が減るので、嬉しいと思います。

▲十日市場こどもクリニックでは、WEB問診を問診を入力いただいた場合の患者側のメリットもしっかりホームページで解説しています。
http://tokaichiba-kodomo.blogspot.com/2020/07/blog-post.html

対面診療の充実が一番の効果

また、患者さんにとって時間短縮の意義も大きいですが、なによりも問診入力の手間が大幅に減ることにより患者さんとの対話や説明などが充実する点が非常に大きいと感じています。時間短縮だけでは患者さんにとって「雑に診察された」と感じることに繋がりかねませんが、短い時間で診察の満足度を高めることができるのが良いですね。

e-learningや保護者教室の取り組み

十日市場こどもクリニックでは、保護者教室やe-learningなども行っているようですが、どのような理由からですか?

例えば、小児の領域で言うと喘息やアレルギーに関して保護者に知っておいてほしいことはたくさんあります。しかし、ひとりひとりに個別に説明しようとすると十分な時間も取れないし似たような内容の説明になってしまうので、そういったことをe-learningでやっていました。また、患者さんからも聞きたいこともあるので、そこを埋める形で保護者教室を開催しています。(現在は、諸事情によりストップ)

e-learningや保護者教室を行うにあたって工夫していることはありますか?

舌下免疫について集合研修を始めたのですが、治療スケジュールや受診に関しての注意点など、説明資材はあるものの、きちんと患者さんが理解してくれたかの測定も必要だと考えました。そこで、研修前と後の両方でテストを行うことにしました。テストと言うと患者さんが身構えるので、クイズ、と呼んでいますが。集合研修は、事後テストに全問正解することを目標として、そういった内容に沿ってお話しするようにしていますし、研修の効果自体の測定や改善もできます。e-learningについても同様で、テストをe-learningの教材に組み込む形で行っています。

WEB問診もe-learningと同様、ブレンド型が大切

e-learningについて研究されてきた先生の視点で、WEB問診について感じることはありますか?

e-learningでも大切なことなのですが、すべてオンラインだけで完結しようとしてもうまくいかなくて、かといってすべて対面でやるとコストが掛かりすぎます。e-learningでやったほうが良いところと、対面でやったほうが良い部分を組み合わせる「ブレンド型学習」(e-learningと対面型研修の組み合わせ)が良いと考えています。例えば、言葉の丸覚えや比較的単純な情報・言語情報であれば対面でやる必要はなく、e-learningでも十分に効果を発揮します。対面では、e-learningで学んだことの確認からスタートして、そういった言語情報をもとに頭を使う部分、運動機能の部分などを中心に行います。
WEB問診についても同様のことが言えて、まずは患者自身の頭の整理も含めて言語情報として落とし込んでもらう。実際の診察ではその情報の確認からスタートすることで診察時間も効率的になりますし、患者にとっても医療機関の滞在時間の短縮にもつながる仕組みだと考えています。

▲e-learningと対面を組み合わせたブレンド型研修
▲WEB問診も対面の診察を補完する関係性

患者コミュニケーション機能に期待

今後、WEB問診に期待する機能はありますか?

WEB問診だと、患者が症状などについてすでに回答しているので、それに合わせて事前に患者に説明しておきたいことや、学んでほしいe-learningのツールを送るなど、患者教育的な側面の機能があると良いかと思います。
例えば、当院で利用するなら、喘息やアレルギー症状の患者に対してe-learningの教材とともに完了後の事後テストなども問診と同様にできると、患者にとってもクリニックにとっても使いやすいものになる気がします。

ありがとうございます。
Symviewでは、患者の問診内容に合わせて個別カスタマイズしたメッセージが配信できたり、アンケートを取れたりする「患者コミュニケーション機能」をベータ版としてリリースしています。
※現在、ベータ版リリースとしてSymviewユーザでご希望のユーザにのみ案内しております。

▲患者コミュニケーション機能はメッセージ配信とアンケート機能が利用できるようになります。
▲メッセージ配信機能は、問診の回答内容に応じたメッセージを自動・手動で配信できる仕組みです

(後日談)新型コロナ感染症のトリアージに活躍

インタビューはコロナ感染流行前の2月でしたが、その後新型コロナが国内でも感染拡大しました。新型コロナの感染流行期におけるWEB問診の活用について、下記コメントを頂きました。

「当院としてはWeb問診を導入していたことにより、受診前に患者さんが入力して下さることにより来院後直ちに隔離室にご案内する、逆に風邪を引いていない赤ちゃんを風邪の患者さんがいない部屋にご案内するなど適切な対応(トリアージ)が可能になりました。」

患者への感染防止対策などにもWEB問診を適切にご活用いただけているようで、弊社としても非常に大きな励みとなります。ご協力、ありがとうございました。

編集後記

十日市場こどもクリニックの奥先生は、医師でありながら教授システム学の修士及び研究員もされていた経歴の通り、「患者教育」というテーマに非常に熱心な先生です。お話をしていても、「いかに患者さんに理解してもらうか」について非常に深く考えられている様子が伺えます。そのような先生からみたWEB問診の効果についてお伺いできたのは、弊社としても非常に勉強になりました。
Symviewの新しい機能として患者コミュニケーション機能(現在ベータ版)についてもご意見をいただき、大きなヒントとなりました。ありがとうございました。

※本ページに掲載している情報はすべて取材当時のものです。変更等が発生している場合がございますので最新情報はご確認ください。

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