2024.09.21
ユーザの声
初診・再診それぞれに必要な診察時間をWakumyで確保
地域住民の気持ちに寄り添う心療内科の予約システム活用術とは
こんどうメンタルクリニックは、名古屋市千種区で大学生〜40代前後の患者さんを中心に、小さなお悩みも相談しやすい精神科・心療内科として、診療を行っていらっしゃいます。
同院では、2024年2月から予約システム「ワクミー」、WEB問診「シムビュー」を同時にご導入いただき、予約管理や患者からの情報収集を効率的に実施されています。また、集患にはWEB広告を併用するなど、自院の患者層がアクセスしやすいWEB動線を設計し、運用されています。
今回お話をお伺いしたのは、院長の近藤 康史先生。初診も再診も、患者一人ひとりのお悩みをしっかりと聞くためのシステム活用事例について、詳しくお話をいただきました。
これまでは初診予約+簡易問診システムを活用。機能不足を解決するため予約システムWakumyを導入
ワクミーの導入を検討した経緯を教えてください。
当院ではこれまで、初診の患者さんに対してWEB上で予約と簡易的な問診を行うシステムを運用していました。このシステムは新規患者にとっては便利であり、WEB予約ができることに加え、診療前にある程度の情報を簡易的なWEB問診で取得することができていました。
しかし、再診患者の予約受付は電話のみで受け付けをしており、診察の期間が空いてしまうと電話予約が面倒だという声が患者さんから上がっていました。この声をもとに、再診の予約をWEB上で行えるシステムへの切り替えが必要だと考え始めました。
また、以前の予約システムは非常にアナログで、予約メニュー等の各種設定にある程度小回りが効く一方で、患者さんの使い勝手や医療者の業務効率化という点では課題がありました。
そこで他社のシステムへの切り替えを検討していく中で、大手で実績も多い他社の予約システムと、リリースから間もないレイヤードのワクミーを同時に比較検討していきました。
当初は大手の予約システムを採用しようかとも考えていましたが、予約システムとWEB問診を同じ会社にお願いできることにメリットを感じていました。
また、周囲でレイヤードの製品を導入しているクリニックから良い評判を聞くことが多く、リリースしたばかりの製品であっても、現場の声を聞いて改善を重ねていく企業だと感じていたので、今後への期待も込めてワクミーの導入を決めました。
実際に、導入後もワクミーは日々改良されており、さらに使いやすい予約システムになっていくと感じています。
アルコールやギャンブル依存症など、自身の専門領域で診療の質をあげるためWEB問診Symviewを導入
シムビューも同時に導入いただきましたが、その背景を教えてください。
以前導入していた予約システム付属のWEB問診では、簡易的な情報しか取得できず、より詳細な問診を求める診療においては機能不足が顕著でした。
特に私が専門とするアルコール依存症やギャンブル依存症(病的賭博・ギャンブル障害)の診療において、より詳細な問診をWEB上で行いたいと考えたのがWEB問診の切り替えをした大きな理由です。
ですので、シムビューを導入する際にはアルコールやギャンブルへの依存に関してオリジナルの問診票を1から作成しました。加えて、初診問診や再診問診などの基本的な問診票、アルコール依存症やうつ病の診断に用いるスコアテストなどは、シムビュー公式の問診票テンプレートを活用し、しっかりと患者情報を取得できる問診票を用意しました。
シムビューには特許(特許取得 第7072817号)を取得した質問の出現条件設定があるので、他社のWEB問診システムと比較しても、患者さんの属性や症状に合わせて必要な質問を表示し、詳細な患者情報を把握することができます。
これは、不要な質問をたくさん表示して患者さんの負担を増やしてしまうことも最小限にできるので、医療者、患者双方にとってメリットになっていると感じています。
システム導入時はスタッフによる運用もスムーズに開始
ワクミーやシムビューの運用開始時、お困りごとはありましたか?
当院ではスタッフが時間帯により1〜4名ほどおりますが、特に困ったことはありませんでした。 導入から本格運用まで2〜3ヶ月かけて、運用における課題がないか、都度院内で慎重に確認・解決しながらシステムの移行を進めていったことが良かったのだと考えています。
また、レイヤードの製品導入時には、担当の方が当院で丁寧に運用レクチャーを行ってくれるので、疑問などはその場で解決し、安心して運用開始することができました。その後もしっかりと運用サポートをしてくれることも助かっています。
Wakumyで予約時間帯を10分単位に分割。初診と再診の患者数に合わせて設定をチューニングしながら運用
現在、何割ぐらいの患者が予約システムを利用していますか?
現在当院では、初診予約の約80~90%、再診予約の約50%が予約システム経由となっています。当院の患者さんのボリュームゾーンは大学生から40代前後のため、基本的には自然にWEB動線を活用してくれています。
予約動線としては電話受付を併用していて、中高生は基本的にはWEB予約ではなく電話のみとしているほか、ご高齢で予約システムを使えない患者さんは電話で受付しています。再診予約はまだ電話比率が高くなっていますが、これからはもう少しWEB予約率を上げていきたいと考えています。
現在のワクミーの運用方法を教えてください。
当院ではワクミーを使い、患者さんが予約できる時間帯を10分単位に細かく設定して運用しています。
このような設定を行うことで、患者さんが「何時何分に来たら良いのか」を予測しやすく、待ち時間を極力減らすことができています。
もちろん診察にかかる時間は一律というわけではなく、初診なのか再診なのかをはじめ、患者さんの症状や事前の問診結果に応じて診察時間が変化します。予約時にWEB問診を入力してくれていれば、患者さんの情報は詳細に把握できるため、診察にかかる時間を予測して予約枠をその場で調整していくようにしています。
このような運用はどのクリニックでも最適かは疑問ではありますが、私は患者さんの待ち時間を極力抑えるために来院時間をある程度コントロールしてあげるべきだと考えているため、現在はこの方法をとっています。
心療内科の初診には時間がかかりやすい。Wakumyの時間帯予約で初診枠をしっかりと確保
集患にも積極的に取り組んでいらっしゃいますが、ワクミーの運用はうまくいっていますか。
当院では、外部の広告代理店にWEB広告の運用をお願いしており、2024年7月には平均2-3人/日のペースで、新規の患者さんにご来院頂いています。
現在はワクミーを活用することで、再診患者を診察しながら、しっかりと初診患者の診察時間を確保できています。
心療内科は他の診療科と比べ、初診にかかる時間が長いことが多いです。新規患者・再診患者ともにしっかり向き合うためには、予約のマネジメントがしやすいワクミーにとても助けられていると感じています。
運用の例としては、午前11時台は新患の枠を空けるか、再診患者の枠を空けるか、その日の混み具合によって調整しています。意図的に予約枠に「空き時間」をつくることで、初診にかける時間をしっかりと確保することができています。ワクミーはUIがとてもよく設計されているので、直感的に設定変更ができ、このような少し細かな運用でも困ることが少ないです。
また、予約キャンセルについても、患者自身がワクミーのマイページから行うことができるので、無断キャンセルの防止にも効果的です。WEBサイトの方にもキャンセル用のページを設けていますが、なるべく無断キャンセルで予約枠が無駄になってしまわないよう注意し、患者数の最大化に努めています。
システム間の連携を強めることで、より効率的なシステム運用を実現していきたい
シムビューとワクミーの導入により、当院では受付スタッフの業務や診療の効率化が進んでいます。
しかし、現状ではWEB問診と電子カルテ、POSシステムなど、いくつかのシステム間の連携が不足していると感じる部分があるのが正直なところです。
今後は、システム同士がもっとシームレスに連携できるようになると、さらに効率的にシステム運用ができるようになり、患者さんにとっても医療者にとっても、良い環境づくりにつながっていくと思っています。この点は、レイヤードの今後の改善にも期待していることの一つです。
編集後記
今回は院長の近藤康史先生に、予約システム「ワクミー」を自院の状況に合わせて最適化する運用事例をお伺いしました。
先生にお話をお伺いする中で、患者の利便性や待ち時間短縮を第一に考えてワクミーをカスタマイズされている点など、随所に「患者さんのお悩みにしっかりと向き合う時間をつくる」という点を大事にされていることが色濃く感じられました。
ワクミーのこれからにも期待いただいているとのことでしたので、引き続き近藤先生のご要望に応えられるよう、改善に取り組んでまいります。
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