2025.12.05

導入事例

「効率化すれば、もっと患者と向き合える」
無人受付が実現する“患者第一”の地方クリニックモデル

秋田県秋田市

さんのへ耳鼻咽喉科クリニック


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診療科目

秋田県秋田市「さんのへ耳鼻咽喉科クリニック」様は、診療の効率化に積極的に取り組みながら、地域に根ざした医療を提供し続けてきました。
1日平均160名を超える患者さんに対応するなかで、予約システム「ワクミー」やWEB問診「シムビュー」、そして無人受付ソリューションを導入。医師・スタッフの負担軽減と患者満足度の両立を図り、院内オペレーションの最適化を実現されています。

予約・診察・会計といった各フローの効率化に加えて、受付業務の無人化にも対応。受付スタッフが1名体制でもスムーズに運用できる体制を構築すると同時に、高齢の患者さんへの丁寧な案内や対面サポートなど、“人にしかできない対応”に注力できる環境が整えられています。

今回は、さんのへ耳鼻咽喉科クリニック 院長・三戸聡先生に、無人受付導入の背景や現場での工夫、そして地方クリニックにおける医療DXのリアルな実情について、詳しくお話を伺いました。

▪️インタビューの様子は動画でもご覧いただけます。▪️
実際の運用風景や先生の生の声を、ぜひ動画でご確認ください。
[動画の視聴はこちらから]

1日160人〜200人超を診察。効率化で診察の「濃度」を上げる

― ― 1日の患者数や、診療で心がけていることを教えてください。

当院は耳鼻咽喉科としては非常に多くの患者さんが来院され、1日平均で約160人、多い日には200人を超えることもあります。

この規模の診療を一人でこなすには、ただ数をこなすだけでなく、業務効率化によって「診察の質」をいかに保ち、向上させるかが重要です。そのため当院では、医師が担うべきことは医師が担い、スタッフに任せられることは権限委譲していく運用体制を取っています。

たとえば、WEB問診シムビューで取得した問診情報は、スタッフがさらに深掘り・整理し、医師として必要なポイントがひと目でわかる形に再構成してくれています。患者さんからの診察後の細かな質問や説明もスタッフが対応するため、私は診察そのものに集中でき、短時間でも中身の濃い診察を提供することが可能になっています。

「予約できること」が時代のスタンダード

― ―  耳鼻科は「順番待ち」が一般的ですが、Wakumyで時間帯予約との併用を導入された理由を教えてください。

最近では、レストランや美容室、役所の窓口でも「事前予約」が当たり前になっています。そんな中、従来の耳鼻科診療のように「順番を取って、ひたすら待つ」というスタイルは、現代の患者さんの感覚と徐々にズレ始めていると感じていました。

もちろん、順番予約は医療機関にとって効率の良い仕組みです。ただ、患者さんにとっては「いつ呼ばれるのか分からない」という不安や不便さがつきまといます。「選ばれるクリニック」であり続けるためには、患者側の利便性を優先する仕組みづくりが欠かせないと考え、当院では予約システムワクミーを導入し、時間帯予約と順番予約の併用(ハイブリッド運用)を始めました。

耳鼻科は特に「診察スピード」が重要な診療科です。時間帯予約を導入するには、一定の診察回転率と業務効率が前提になります。当院ではもともと効率化に取り組んできたこともあり、診察体制に柔軟性があるため、この仕組みがうまく機能しています。

あらかじめ時間単位で診療枠を調整しつつ、急な来院や予約を取れなかった患者さんには順番予約で対応することで、診療の流れが途切れず、1日を通して安定した診療が可能になりました。

特に朝一や夕方など、患者さんが集中しやすい時間帯でも、過度な待ち時間や混雑を回避できるのは大きな効果です。実際に患者さんからは、「何時に診てもらえるか分かるので安心」「子ども連れでも予定が立てやすくなった」といった声を多くいただいており、時間帯予約による利便性の高さを実感しています。

Wakumyの導入で、WEB問診入力率が60%→90%にアップ

―― Wakumy導入後、WEB問診Symviewの問診入力率が上がったと伺いました。

以前はWEB問診の入力率が6割程度で、紙問診への切り替えが必要なケースも多く、受付や診察の手間が残っていました。

ですがワクミー導入後は、約9割がWEB問診に回答してくれるようになりました。ワクミーとシムビューは同じレイヤード製品で連携性が高いため、患者さんも迷わずスムーズに入力へと進むことができます。

その結果、問診の内容がより深く、精度の高いものになり、診療前に得られる情報が充実しました。事前に整理された情報が揃うことで、診察の流れ自体もスムーズになり、限られた時間の中でも、より質の高い診療が提供できるようになったと感じています。さらに、来院時の負担が軽減されたことで待ち時間も短縮し、待合室の混雑も大幅に緩和されました。こうした改善が積み重なり、診療品質が底上げされています。

さらなる業務効率化には「受付無人化」が不可欠。無人受付ソリューションの導入を即決

― ― 無人受付を導入しようと思ったきっかけを教えてください。

当院ではこれまで、診察・検査・会計など、業務の各所で効率化を進めてきました。例えば自動精算機の導入は大きな効果がありましたが、唯一「受付」だけは人力に頼り続けていたのが現状でした。

今では飲食店やホテルなど、どこでも無人受付がスタンダードになりつつあります。そんな時代の中で、医療機関だけが変わらないのはおかしい、診療所の受付無人化も必然的な流れだと感じていました。

ちょうどそのタイミングでレイヤードさんからのご提案があり、院内動線や業務フローの観点から見ても効果が高いと判断し、導入を即決しました。

大切なのは、人にしかできない業務には人を割き、そうでない業務はシステムで効率化すること。無人受付はその代表的なツールだと考えています。

「自然に使える動線」で、約80%の患者が無人受付を利用

―― 予約患者のうち約8割が無人受付を利用しています。秘訣は何でしょうか?

インタビューの様子。(左から)さんのへ耳鼻咽喉科クリニック院長 三戸先生、レイヤード社長・毛塚

当院では、無人受付機2台と有人窓口1台の3レーン体制で受付業務を行っています。この運用によって受付業務の効率化が進み、院内全体の動線も整理されました。

ただし、仕組みを整えただけで患者さんが自然に使ってくれるわけではありません。特に高齢の患者さんにとって、医療機関の受付は入力項目が多く、一般的なセルフレジのようにはいきません。そこで大切にしたのが、「環境」と「動線」の設計です。

以前から自動精算機を使用していたことで、患者さんの中には自動化に慣れた方も多くいました。その素地を活かしつつ、入り口から受付機への視認性を確保し、案内表示を見やすく配置。さらに最初の数回だけスタッフが声がけや操作補助を行うことで、患者さんがスムーズに無人受付へと進めるようになりました。

実際、スタッフからも「2~3回来れば、ほとんどの患者さんが自分で受付できるようになる」との声があります。現在では、予約をして来院された患者さんの約80%が無人受付を利用しており、特別な負担感を感じることなく、日常の一部として定着している状況です。

案内係の配置で無人受付の運用がよりスムーズに

―― 無人受付の運用で工夫されている点はありますか?

当院で無人受付を定着させるうえで大きな効果を発揮したのが、無人受付の案内係を1名配置したことです。

とくに初回来院時は、高齢の患者さんが端末操作に戸惑うケースが多くあります。そうした方に寄り添って、受付機の前で声をかけながら一緒に操作を進める。この体制があったことで、患者さんの「無人受付=難しそう」という心理的ハードルが大きく下がりました。

一度操作を体験した方は、2回目以降はスムーズに自力で受付できるようになり、サポートの必要性も減っていきます。

もちろん、どうしても操作が難しい方には有人カウンターで柔軟に対応していますが、初期対応さえ丁寧に行えば、自然と無人受付が“当たり前”として根づいていく。これがスタッフ全体の実感です。

無人受付のおかげで受付スタッフを柔軟に再配置

―― 受付スタッフの業務にはどのような変化がありますか?

無人受付の導入により、受付業務そのものの負担が大きく軽減され、人員配置にも大きな余裕が生まれました。

これまで常に2名体制で対応していた受付も、今では1.5〜1名体制で十分に対応できる時間帯が増えています。完全に無人で回すのではなく、必要なときに必要な人数で対応できる、柔軟な運用体制が実現しました。

また、無人受付の定着によって、受付業務に常時張りつく必要がなくなったため、空いた時間にスタッフを検査対応など他の業務へと回すことができるようになりました。これにより、院内全体の人員活用の最適化が進み、結果としてスタッフ1人ひとりの業務の幅も広がり、働き方の柔軟性も向上しています。

無人受付という“効率化ツール”が単なる省人化にとどまらず、「人の時間を、人にしかできない業務へと再配分する」ためのインフラとして機能しているのが、当院での最大の成果だと感じています。


▶️ 実際の操作画面や院内動線、インタビューの様子を動画でご覧いただけます

編集後記

さんのへ耳鼻咽喉科クリニック様の取材では、業務効率化と診療の質向上の両立を、非常に現実的かつ柔軟な方法で実現されている姿が印象的でした。無人受付の導入により、受付業務の負担が大きく軽減されただけでなく、スタッフの配置にも余裕が生まれ、ご高齢の患者さんへの案内や対面でのサポートなど、必要な場面に人をしっかりと配置する運用が可能になっていました。

“人にしかできない対応”の質を落とさず、システムと人の役割を丁寧に切り分けて設計された運用は、地方クリニックにおける医療DXの一つの理想形だと感じました。

ご多忙の中、貴重なお時間をいただいた三戸先生、スタッフの皆さまに心より感謝申し上げます。

※本ページに掲載している情報はすべて取材当時のものです。変更等が発生している場合がございますので最新情報はご確認ください。

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