2026.05.25
導入事例
順番受付から時間帯予約への転換で3時間待ちを解消
患者・スタッフ・医師に心のゆとりをもたらした持続可能な診療体制の構築

長崎県佐世保市のかわじり耳鼻咽喉科クリニック様は先代であるお父様の代から、地域の多くの患者様を支えてこられました。
長年3時間近い待ち時間に悩まされてきた同院では、予約システムの入れ替えを行い、それまでの順番受付から時間帯予約への運用を変更するという大きな転換を図りました。
結果として待ち時間の短縮のみならず、先を見越した診察準備や感染対策にもつながり、スタッフ様、患者様からも喜びの声が上がる運用を実現されました。
今回は、かわじり耳鼻咽喉科クリニック院長・川尻逸平先生に、予約運用を変更した際の苦労や工夫、医療DXがもたらす効果についてお話を伺いました。
3時間近い待ち時間。コロナ禍で受診制限を余儀なくされた診療体制

―― まず、Wakumyを導入される前の診療体制と具体的な課題について教えてください。
当院のある佐世保市は人口に対して耳鼻咽喉科クリニック数が少なく、以前から多くの患者様に来院いただいていました。
当時は、ホームページ上と院内受付で順番取りができる順番受付システムを採用していましたが、コロナ禍以降は患者数がさらに増加し、開院前からクリニック前では行列ができ、そのうえ3時間近くお待ちいただく、ということも珍しくありませんでした。
―― 患者さん・スタッフさん・先生それぞれの負担も相当なものだったのではないでしょうか。
待合室はもちろん、20台ある駐車場も駐車スペースがなくなってしまうこともあり、一時は1日当たりの受診患者数の上限を設定し、それを超えた場合はお断りをしていました。
そういった状況でしたから、スタッフにも患者応対の面で非常に負担がかかっていました。
時間帯予約の導入で患者・スタッフ・医師に余裕を生む運用への転換

―― そこで予約の運用を順番受付から「Wakumy」による時間帯予約に移行することを検討されたのですね。
耳鼻咽喉科では順番受付でどんどん患者さんを診ていくというスタイルが一般的で、時間帯予約は向かないと言われていたので、運用変更にはためらいがありました。
しかし、知り合いの医師から人数制限をかけることができれば問題なく運用できていると聞き、すでに導入していたWEB問診シムビューと親和性の高いワクミーの話を聞いてみることにしました。
―― 現在はどのような予約運用にされているのでしょうか
15分の枠に3名という設定にしています。まれに直接来院された 患者様を予約と予約の間に入れることもありますが、基本的にはこの枠の中に収まるように案内しています。
移行の際は、1つの時間枠を長く確保するか短く区切るか、また、予約人数を制限するか、できるだけ多くの患者さんを診られるようにするかなど、その構成や設定に悩みました。
スタッフとも相談し、患者さん一人ひとりに対する事前の準備や診察の時間を確実に確保し、スタッフと医師の双方が心に余裕を持って診療にあたれるよう考え、15分の枠に3名という設定に決定いたしました。
―― 予約システム、予約体制を変更するにあたって混乱はありませんでしたか
数か月前からホームページ上や院内での案内を開始しました。新旧二つのシステムを並行利用することはなく、スタッフ含めて大きな混乱はありませんでした。
変更後は患者様からも「受診時間が分かるシステムはいいね」とお声掛けいただきました。
予約と問診のシームレスな連携で問診の事前回答率60% 診察準備がスムーズに

―― WEB問診「Symview」もご導入いただいています。両システムが連携することでの効果はありますか。
現在、約6割の患者さんが来院前に問診回答を済ませてくださっています。それにより患者情報の「事前把握」ができることで、もたらした効果は非常に大きいです。
当日の朝、一日の予約を確認していますが、その時点で症状や経過を把握できるため、同じ枠の中で検査が多くなりそうな患者さんがいたら先に呼ぶなど、院内での滞留が起きないようにする工夫をしています。
また面と向かっては言いづらい症状や既往歴などをWEB問診を通じて把握できるようになったのも良かった点です。
―― 院内滞在時間についても劇的な変化があったと伺いました。
以前は受付後に院内や車内で3時間近くお待ちいただいていましたが、現在は予約した時間に来て、診察を受け、スムーズに帰るという流れが確立され、院内滞在時間は30分以内ととても短くなっています。
以前は診療の進捗に焦りを感じ、ついピリピリしてしまう瞬間もありました。しかし、システムの移行によって1日あたりの診察数がコントロールでき、また繁忙期と閑散期の患者数が平準化されたことで、心理的なゆとりが生まれました。スタッフからも「院内の空気が穏やかになり働きやすくなった」と好評です。
さらなるシステム化で目指す 診察の質向上と現場負担の軽減

―― 今後の展望と、これからIT導入を検討される先生方へのメッセージをお願いします。
まずは、WEB問診の事前回答率を8割、9割へと高めていきたいですね。診察室に入る前にどれだけ正確な情報を把握できているかで、診察の「質」は確実に変化します。
また、今後は高齢の患者様へのリマインドについても、より効率的な方法を検討していきたいと考えています。現在はスタッフが前日に電話をかけるなどアナログな対応が中心ですが、ここをシステムで仕組み化し、現場の負担をさらに軽減したいですね。
―― IT活用を進めるパートナーとして、レイヤードに期待することはありますか。
ワクミーとシムビューの連携により、受付から診察までの動線を一気通貫で整理できる点は非常に心強いです。
今後も単なるツールの提供に留まらず、現場の細かなニーズに寄り添った継続的なアップデートを期待しています。
編集後記
長年親しまれてきた「順番受付」という慣習を変えることはとても大きな決断だったはずです。しかし現場の疲弊を放置せず、システムを入れ替えることで持続可能な体制への転換を図りました。
時間いっぱいに診察を詰め込むのではなく、適切な枠を設けて流れを整えることで、結果として患者さんの利便性とスタッフの働きやすさを両立しています。
医療DXの取り組みが単なる事務の効率化に留まらず、医師と患者が落ち着いて向き合える診察時間を作り出す有効な手段であることを、改めて教えてくれる事例でした。
川尻先生、貴重なお話をありがとうございました!
※本ページに掲載している情報はすべて取材当時のものです。変更等が発生している場合がございますので最新情報はご確認ください。











































