2024.08.15

活用事例

【完全版】WEB問診とは?よくある質問や導入事例、システム比較からメリット・デメリットまで紹介

スマホでWEB問診

WEB問診システムは、コロナ禍以降、導入する医療機関が急速に増加し、現在ではクリニックの開業時に導入が当たり前となっているツールです。

患者の待ち時間短縮やスタッフの業務効率化など、多くのメリットがあるWEB問診ですが、導入を検討する際に以下のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

・製品が多く、どのシステムが自院に適しているのかわからない
・導入後の運用に不安がある
・導入実績の豊富なWEB問診システムを知りたい

本記事では、WEB問診のメリットやシステム選びのポイント、さらに実際の導入事例やよくある質問まで詳しく解説します。
ぜひ、WEB問診の導入を検討する際の情報収集にお役立てください。

1.WEB問診システムとは?

スマホを操作する女性

WEB問診とは、患者がスマホやタブレットなどインターネットに繋がった端末から事前に問診に回答できるシステムです。

患者はクリニックに訪れる前に自分の症状や健康情報を入力でき、クリニック側も事前に情報を把握することができます。

これにより、受診時の患者の待ち時間を短縮できるだけでなく、医療スタッフもよりスムーズに受付や診療にあたることができます。
また、従来の手書きによる情報漏れや読み間違いを防ぐことができ、効率的で正確な事務処理が実現できます。

WEB問診の利用シーン

WEB問診は、患者属性やライフスタイルなどの環境に合わせて柔軟に利用することができます。
大きく分けて3つの利用シーンがあります。

  • 来院前に患者が記入する場合

クリニックのホームページ等に、WEB問診にアクセスできるリンクを設置します。
患者は、パソコンやスマホなどインターネットに繋がった端末であれば、いつでもどこでも問診の記入が可能です。

また、予約システムも導入している場合、WEB予約完了後にWEB問診フォームを表示させることができるので、スムーズな予約・問診導線を作ることが可能です。
これは医療機関にとってもメリットがあり、WEB問診の院外入力率を上げやすく、クリニックの混雑緩和や受付スタッフの業務負荷軽減につながります。

  • 待合室で記入する場合

クリニックの待合室に、WEB問診へアクセスするためのQRコードを設置します。
患者は、スマホでQRコードを読み取ることで問診の回答が可能になります。患者への説明は、受付に案内文を提示しておくと、よりスムーズです。

  • 医療機関側でタブレットを用意して記入する場合

クリニック側でWEB問診入力用のタブレット端末を用意します。
高齢者やスマホを持っていない方もWEB問診の入力が可能です。紙の問診票とは異なり、文字を大きくすることもできるため、小さい文字が見えにくい方にとっても利点があります。

紙の問診との違い

WEB問診と紙問診との大きな違いは、来院後の所要時間と業務効率への影響です。
紙問診の場合、基本的に来院後に記入してもらうため、記入された問診情報を電子カルテに転記する時間がかかります。それにより、患者の待ち時間も長くなってしまいます。

<所要時間例>
・患者が紙の問診票に記入:5分
・クリニック側で問診内容を確認し、不備がある場合患者へ質問:2~10分
・問診内容を電子カルテに記入:2~5分


一方、WEB問診では、自宅や移動中でもスマホから回答ができ、クリニック側も事前に問診情報を確認できるため、患者の待合室での待ち時間を大きく短縮できます。

また、電子カルテと連携している場合は、手動での入力作業も不要ですので、スタッフの業務効率向上に大きく貢献できます。

AI問診との違い

WEB問診と混同されやすいシステムとしてAI問診があります。
WEB問診は、症状や患者属性、目的に応じて問診が用意されていることが多く(特定の疾患や検査、問診の分岐条件によるテンプレート)、AI問診は、人工知能が質問を自動生成し、患者情報を深掘りしていく問診システムです。

WEB問診との違いとして、AI問診は基本的に問診内容をカスタマイズできない場合が多いことや、質問量が多くなり、患者の負担が増加しやすい点が挙げられます。

2.WEB問診システム導入のメリット

受付けでPC操作する看護師

受付業務の効率化(スタッフの業務負担を軽減)

WEB問診で入力された患者の属性や問診情報は、患者が来院する前にクリニック側の管理端末に登録されるため、院内業務におけるデータ入力や情報の収集にかかる時間を削減することができます。

また、既存の電子カルテと正式に連携しているWEB問診システムであれば、コピー&ペーストなどで簡単に電子カルテに転記することも可能ですので、入力時間だけでなく、スタッフの労力の負担も大幅に軽減することができます。

スムーズで正確な診察

患者の来院前に、医師が患者の病歴や健康情報を把握できるため、診療の準備をスムーズに行うことができます。
これにより、初診時の問診時間が短縮され、診療時間を有効に活用できるため、医師の負担が軽減されます。入力された問診情報はそのまま電子カルテに反映できるため、転記ミスや入力ミスが少ないことも特徴です。

また、事前に問診情報を取得できることで、医師が適切な治療計画を立てることができるため、診断や治療における精度の向上が期待できます。

さらに、患者の問診回答に応じて、患者をカテゴライズできるラベル機能を持つWEB問診システムであれば、発熱患者などの事前トリアージも可能になります。

患者の待ち時間短縮

外来患者の不満で最も多いのは、待ち時間に関することです。

「診察待ち時間」に対する不満が22.2%と最も多く、次いで「駐車場」17.2%、「会計待ち時間」16.7%と続きます。
また、「診察・予約時間への配慮」もトップ10入りしていることから、外来患者からは、「時間」に関する不満が高いことがうかがえます。

引用:株式会社メディネット マーケティングレポート

従来の紙による問診の場合、患者は待合室で問診票を記入することになります。
また、クリニック側では、問診内容の確認やデータ入力の作業が必要です。

WEB問診では、それらの時間が不要となるため、院内での待ち時間を大幅に短縮することができます。
待合室での待ち時間は、患者にとって大きなストレスとなり、クレームに発展する場合もあるため、患者の待ち時間短縮は、医療機関と患者双方にとって大きな利点があります。

3.WEB問診システム導入のデメリット

PCを見て悩む医師

WEB問診システムには多くのメリットがありますが、デメリットも無視できません。
ただし、デメリットの多くは、自院に合ったシステムを選ぶことで対処も可能です。

導入・ランニングコストがかかる

WEB問診システムを導入する場合、導入コスト(初期費用)とランニングコストが必要です。
各社の料金体系にもよりますが、導入コストには、システム導入にかかる初期費用やカスタマイズ費用、インフラ整備費用などが含まれます。
また、予約システムや電子カルテ等周辺システムとの連携にあたっても費用が発生することもあるでしょう。

ランニングコストには、サービスの利用料や保守管理費用(月額または年額)が挙げられます。
オプションとしてオンライン診療や電子同意書、療養計画書作成機能を実装できるシステムも多く、オプション料金も含めてコストを検討することが重要になります。
システムの提供元や無料相談などを活用して、情報収集することをおすすめします。

操作に慣れるまで時間がかかる

新しいシステムを導入すると、スタッフは、これまで使い慣れていたシステムや既存の体制とは異なるオペレーションを覚える必要があります。ITに不慣れなスタッフや高齢のスタッフの場合、操作習得に時間がかかることもあるでしょう。

対処法としては、問診テンプレートが充実していたり、問診カスタマイズなど操作を依頼できたり、スタッフが慣れるまで継続的なサポートを提供できる会社を選ぶことです。

患者が利用しない可能性がある

多くの患者にとって利点の多いWEB問診ですが、スマホ操作に慣れていない高齢者をはじめとして、WEB問診システムの利用に抵抗を感じる患者もいます。
このような方は一定数存在しますが、導線を工夫・改善することでWEB問診の回答率を大きく向上させることが可能です。

WEB問診シムビューでは、1医療機関あたりの月間問診回答数の平均が700以上となっています(2024年7月末現在)。以下、実際に導入いただいている医療機関のWEB問診システムの活用事例もご参考ください。

ホームページをはじめ各種対応が必要

紙問診からWEB問診に切り替える際、様々な対応が必要です。
以下の対応にあたっては、各システム会社に連絡をとる必要がありますので、それぞれ別の会社のシステムを利用している場合、対応がより複雑で困難となることが予想されます。

ホームページの対応
WEB問診システムのリンク設置や患者向け説明ページの追加など

電子カルテ対応
WEB問診システムから電子カルテシステムへのデータ連携およびデータ形式の整備

予約システム対応
予約完了後にWEB問診へのリンクを表示させたり、SMSやメールでリンクを送ったりする設定

4.WEB問診システム選び4つの比較ポイント

WEB問診システムの導入にあたっては、デメリットも存在するからこそ、自院にとって最適なWEB問診システムを選ぶことが重要です。
他システムとの連携性が良く、自分で問診をカスタマイズでき、さらに手厚いサポートがあると、医師・スタッフともに安心してWEB問診を導入・運用することができます。

パソコン操作する看護師

自院に適したタイプの選択

現在、各メーカが様々なWEB問診システムを提供していますが、大きく分けて3つのタイプに分けられます。

1. 他システム内包型(簡易問診)

予約システムや電子カルテに簡易的な問診機能が付帯しているケースです。
問診専用のシステムを別途導入する必要がなく、コスト的なメリットが大きい反面、問診内容は基本的なものに限られるため、詳細な患者情報の収集ができない、カスタマイズの自由度が低いなどが特徴として挙げられます。

簡易問診が適しているクリニック
・問診内容は簡易的で十分
・手軽に始めたい方

2. AI問診

人工知能が質問を自動生成し、患者情報を深掘りしていく問診システムです。
詳しい患者情報を収集することで診断の補助ができる製品もあります。一方、問診のカスタマイズができないデメリットもあります。

AI問診が適しているクリニック
・専門外の領域等でAIによる診断の補助を期待している

3. WEB問診専門型

症状や疾患、目的に合わせて事前にWEB問診が用意されていることが多く、自院に合わせてカスタマイズして利用することで患者の症状や悩みをしっかりと聞き取ることができます。

問診テンプレートが用意されているメーカも多いため、紙問診からの切換えも比較的負担は少ないでしょう。製品によっては、患者属性や症状などの回答にあわせて質問の出現条件を設定できるため、検査ニーズの掘り起こしなどマーケティングに利用できるシステムもあります。

医療機関ごとに各問診の内容を個別にカスタマイズすることが可能で、ドクターの診療スタイルに合わせて、オーダーメイドで必要十分な問診を構築することが実現できます。

WEB問診が適しているクリニック
・患者層や治療方針を反映した問診をしっかり行いたい
・自院に適したカスタマイズをしたい

サポート体制の充実

必要最小限のサポートをオンラインでのみ行うメーカは、比較的コストが抑えられる傾向にありますが、連携設定等、現地訪問に対応していないケースもあります。

メーカによりサポート内容も異なりますので、システム選定の際には自院のご状況に合わせて必要なサポートを受けられるか確認してください。

サポート体制のチェックポイント
・初期導入時の連携設定やレクチャーのための訪問があるか
・問診作成をサポートしてくれるか
・定期的なアップデートや時期等に合わせた活用提案をしてくれるか
・利用状況に合わせた運用中の課題・悩みを相談できるか

問診設計のカスタマイズ、柔軟性

メーカによりWEB問診のカスタマイズができるかどうか、また、カスタマイズができる場合でも変更できる範囲が異なりますので、導入前に確認するようにしましょう。

カスタマイズできる場合は、カスタマイズ方法もメーカによって異なりますので、以下のチェックポイントに沿って確認しておくことをおすすめします。

カスタマイズのチェックポイント
・問診票のテンプレートがあるか
・テンプレートはカスタマイズできるか
・自分で管理画面から簡単にカスタマイズできるか
・サポートにカスタマイズを依頼できるか

患者のおよそ2人に1人は、症状や悩みを医師にうまく伝えられないと感じています。
だからこそ、患者自身が事前に症状や訴えを伝えられるような問診設計のカスタマイズが重要になります。

周辺システムとの連携、拡張性

WEB問診は、電子カルテ、予約システム、オンライン診療との連携で導入効果がより一層高まります。
周辺システムがシームレスに繋がることが、受付スタッフの業務効率、医師の正確な診断、患者のユーザビリティや満足度を高める上で重要になります。

WEB問診システムの導入を検討の際には、自院で利用中の各システムとの連携性をご確認ください。

1.電子カルテ連携

WEB問診システムと電子カルテを連携することで、患者が入力した問診内容を自動またはコピー&ペーストなどで迅速かつ効率的に取り込むことができます。

2.予約システム連携

WEB問診と予約システムを連携することで、患者は「予約」→「問診」の来院準備をよりスムーズに完了できます。
これは医療者にとってのメリットでもあり、WEB問診の院外入力率の向上、クリニックの混雑緩和、受付スタッフの業務負荷軽減につながります。

3.オンライン診療連携

オンライン診療で課題になりやすいのが診察効率の低下です。WEB問診と連携をしておくことで患者情報を事前に把握することができ、診察効率を落とさずにオンライン診療を進めていくことができます。

さらに、外来もオンライン診療も両方対応できるシステムであれば、システムを運用するスタッフの負担も最小限に抑えることができます。

現在利用している自院の周辺システムは、どのWEB問診と正式に連携しているのか?等連携について詳しく知りたい方は、ぜひ弊社無料相談をご利用ください。

5.WEB問診システムの導入事例

「紙の問診からスムーズに切り替えられるのか?」「高齢者が多いクリニックで利用してもらえるのか?」
など、WEB問診の導入にあたっては不安もあるかと思います。ここでは実際にWEB問診Symviewを導入いただいているクリニックの導入事例をご紹介します。

6.WEB問診システム導入の際のよくある質問

悩む医師

Q.WEB問診システムを導入するまでの流れを教えてください

A.まずは、自院のニーズを確認しましょう。
WEB問診システムを使って、どのような情報を収集したいのか、どのような業務効率化を実現したいのか、整理してみてください。その上で、機能面や価格、サポート体制などを考慮し、自院に合ったWEB問診システムを比較検討します。

導入までの一般的な流れ
1.契約、システム導入に必要な環境設定やネットワークの確認
2.WEB問診のカスタマイズ
3.院内周知・スタッフトレーニング
4.HP等へのリンク設置
5.患者への案内

Q.問診票は0から作成する必要がありますか

A.各メーカによって異なります。
問診票のテンプレートを公開しているメーカであれば、0から作成する必要はありません。シムビューでは、全国1,800以上の医科診療で活用いただいているWEB問診を「シムビュー公式問診」として公開しています。公式問診は、そのままご活用いただくことも、質問や回答内容をカスタマイズしてご利用いただくこともできます。

Q.導入にはどのくらいの費用がかかりますか

A.各メーカによって異なりますが、初期費用と月額必要がかかるのが一般的です。
一例として、製品資料に掲載している料金表もご参考ください。

7.WEB問診の導入をはじめ、医療DXならレイヤードにお任せください。

スマホでWEB問診

本記事では、WEB問診システムのメリットやデメリット、システム選びのポイント等についてご紹介しました。
しかし、自院にどのようなシステムが適しているのか、自院の各システムは連携できるのかなど、不明な点も多々残っているかと思います。

レイヤードでは、システム導入時のご相談をはじめ、課題となりやすい初期設定やスタッフへのレクチャーなども、レイヤードの専任担当が対応させていただきます。無料相談も受付けておりますので、ぜひお気軽にお問合わせください。

また、WEB問診システムはもちろん、予約から決済まで一連の患者動線を一気通貫で対応できるサービスをご用意しておりますので、クリニック全体のDX化もお任せください。

株式会社レイヤード
自社開発のWEB問診シムビューは、全国約1,800以上の医療機関に導入され、月間の問診回答数は単月で130万件を突破(累計でも1000万件を突破)しています。その実績を基に、WEB問診システム導入検討時の役立つ情報や、実際のユーザの活用事例なども発信しています。
※記載の情報は2024年9月末時点の情報

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