2024.10.11

ユーザの声

小児科に適した予約システムの運用事例
時間帯予約で「待ち時間削減」と「急患受け入れ」を両立

しばキッズクリニック 院長 柴 徳生

神奈川県平塚市

しばキッズクリニック


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2024年5月に神奈川県平塚市で開院された「しばキッズクリニック」様は、院長の柴徳生先生と奥様の柴梓先生がご夫婦で診療されている2診体制の小児科クリニックです。

院長の柴先生曰く、平塚市は、比較的小児科が少ない地域で、明日の予約が取れない患者や今日かかりたいのにかかれない患者が多かったり、入院の受け皿となる病院が少なかったりと、小児医療が逼迫しているエリアとのこと。

そんな中、できるだけ入院せずに済むよう、点滴や採血など、ある程度のことをクリニックで可能とし、2次病院にも負担をかけないような位置づけの病院が作れたらいいなと、しばキッズクリニックを開院されました。

同院では、予約システム「ワクミー」とWEB問診「シムビュー」を開院時より導入いただいていますが、とくに時間帯予約を自院に最適な形でカスタマイズして、患者満足度の向上や業務効率化を実現しています。

今回は、WEB問診「シムビュー」の導入効果と小児科クリニックにおける予約システム「ワクミー」の効果的な運用方法についてお伺いしました。

小児科だからこそ応えるべき予約に関する患者ニーズ

しばキッズクリニック外観

小児科は、急な子どもの発熱など急性期の来院が多いので、当日の朝から予約ができる順番受付が定番です。当院も開院当初は、順番受付が適していると考えていましたが、現在は時間帯予約が使いやすいと感じています。

やはり順番受付だけですと、患者さんが「何時に順番がくるかわからない」「いつ呼ばれるかわからない」といった時間的に拘束されてしまうデメリットがあるようです。

一方、時間帯予約であれば、何時から何時の間に行けばいいとか予定が立てやすいですよね。

また、日々の生活において、 時間に遅れそうになり焦ることってあると思うのですが、とくに小児科の場合、お子さんが急にトイレに行きたいとか、眠たいとか、予定外のことって多いですよね。ですので、予約される親御さんたちからは、時間帯予約のように、15分とか30分とか幅を持って予約が取れるのは、すごくありがたいですという声をいただいています。

― ― 時間帯予約が患者さんの満足度向上に繋がっているということですよね。

そうですね。来院の予約時間がわかっているので、買い物したりとか、他の用事を済ませたりとか、予定が立てやすい等、実際に患者さんからの評判も良いです。

また、小中学生は学校の後に受診したいというニーズがあるため、その点も時間帯予約のおかげで対応できていると思います。

時間帯予約のカスタマイズで、患者の来院分散と待ち時間短縮

― ― 時間通りに診察が進まず、待ち時間が発生するといった課題はないですか?

開院当初は、30分の時間間隔で運用を開始しました。最初は人数もそんなに多くなかったので、時間帯通り診られず患者さんをお待たせしてしまうことはほとんどなかったのですが、来院人数が増えてきて、1日に150人など多い日には、長いと30分ほど待ち時間が発生してしまうことがありました。

時間帯予約だと、その時間帯通りに来る人もいれば、早めに来たり、遅れて来たりする人もいます。
例えば、前の枠の人が遅れてきて、後の枠の人が早めに来たりすると、患者さんが集中する時間帯ができてしまうんですよね。

開院当初の30分枠の場合、傾向として毎時「0分」「30分」 に集中してしまうことがわかりました。

― ― 来院が集中してしまうと、待ち時間も発生しますし、受付も大変ですよね。その点はどのように対応されているのですか?

時間帯予約の場合、患者さん側に「予約時間内に診察してもらえる」という意識がありますので、待ち時間が長くなるとクレームや悪い口コミにつながることもあるかと思います。

当院では、時間帯予約の時間間隔を15分枠にカスタマイズすることで対処しています。
現在の診察状況として、医師2名で1時間あたりの予約数を24人に設定しているのですが、開院当初の30分間隔12人枠の場合だと「0分」「30 分」に集中していた患者の来院を、15分間隔の6人枠にすることで分散させています。

間隔を短くすることで、患者さん側にも受付時間であることがより伝わりやすくなったように思います。

2診体制のため可能なのかもしれませんが、短い時間間隔にすることで、患者さんの来院が分散し、結果的に全体的な待ち時間が短縮されたと感じています。来院が分散することで、受付業務の効率化にも少なからず繋がっていると思います。

また、感覚ではありますが、時間帯予約にすることで集患につながった印象はあります。

順番受付と時間帯予約の併用で急性期の患者にも対応

― ― 他に時間帯予約の運用において、工夫している点はありますか?

そうですね、時間帯予約は、少し遠い日付の予約が埋まってしまうこともあると思うのですが、当院では、基本的に当日の予約しか取れないようにしています。
(実際には、当日0時から予約可能なため、就寝前に翌日の予約として取られる方もいます)

数日先の予約を開放すると、予約の利便性はより上がるのかもしれませんが、予約が埋まってしまって、本当に具合が悪い時に予約が取れなくなってしまうのは、患者さんのためになりませんよね。

また、開院当初から、「予約の時間間隔は診察時間ではなく受付時間ですよ」と予約のお知らせ欄やホームぺージなどで周知をしていました。

来院の分散効果だったり、受付時間だと理解してくれることで、多少診察時間が押したとしても患者さんのイライラに繋がりにくかったりの効果があったかと思います。

なお、基本的には、時間帯予約メインの運用になりますが、順番受付も対応できる状態にはしているので、急病の患者さんにも対応できます。
電話予約や直来の患者さんも受け入れておりますが、誰がWEB予約の方なのかは、患者さん同士ではわからないシステムのため、クレームもほとんどありません。

「WEB問診」×「予約システム」で、さらに患者と向き合える時間を

― ― シムビューも開院からご利用いただいているかと思います。効果はいかがでしょうか?

まず、診察、受付業務の効率化を感じています。
事前に問診をしていただけると、情報が電子カルテの「S」 の部分に取り込まれるため、手動で打ち込む必要がありません。

そのため、患者さんのお話を聞く時間をちゃんと取れるようになります。
電子カルテに打ち込みながら話を聞くと、どうしてもパソコンに目がいってしまうかと思いますが、事前に情報が取り込まれているおかげで、診察中は、お子さんや親御さんの顔を見ながら診察ができています。患者さんとしても、ちゃんと話を聞いてくれるという安心感も生まれ医療接遇の向上にもつながっていると思います。

また、診察、受付業務が効率化することで、待合室の待ち時間も減らすことができますので、結果的に時間帯予約のスムーズな運用にもつながっています。

― ― 問診回答率はいかがでしょうか?

患者さんは、基本的に院外で問診を済ませてくれています。同じ症状で受診される方は、たまに「前回の続きです」という意図で書いていただけない方もいますが、初診の問診回答率は、9割以上だと思います。

開院当初は、紙の問診も用意していたのですが、現在は廃止しています。
やはり親御さんも、最初はちゃんと聞いてほしい、ちゃんと診てほしいという思いが強いのできちんと書いてくれているのかなという印象も受けます。

導入の決め手は、WEB問診Symviewへの信頼と予約システムWakumyへの期待

― ― 開院前に各社のシステムを比較検討されたかと思いますが、レイヤード製品導入の決め手は何でしたか?

もともとシムビューについては、非常によくできているシステムだと卸さんから聞いていましたので、シムビューの採用はある程度決めていました。

そんな中、レイヤードさんが新しい予約システムを開発されたという話を聞きまして、WEB問診システムの開発が進んでいるレイヤードさんが作る予約システムなら使いやすいだろうと考えた経緯です。

また、同じ会社のシステムで連携が取れていた方が使いやすそうですし、問い合わせも一社で済みますので、効率的ですよね。

あとは、別々で導入するよりもセット割という形で一括導入した方が金額的にもお得だという点も大きかったですね。

― ― 機能面など比較はされましたか?

はい、予約システムについては何社か比較しました。
機能面では大きな差はないのかもしれませんが、ワクミーは他社と比較すると、やはり見やすいと感じています。

他の予約システムでは、予約一覧画面で詳細が見られなかったり、エクセル的な見た目で味気なかったりしたのですが、ワクミーの場合、デザインもレイアウトも可愛く、直観的に操作ができます。また、患者さん1人1人の情報がしっかり表示されるので、スクロールするだけのその日の患者さんの情報を確認できるなど使い勝手がすごく良く、受付スタッフ、看護師からも好評です。

クリニック・患者の両方にとってウィンウィンな予約システムへ

― ― システムの改善点や今後の運用について教えてください

しばキッズクリニック 院長 柴 徳生

開院から徐々に患者さんも増えてきて、少なからず待ち時間の発生など課題もでてきています。
「病院だから待つのは仕方がない」というのは違うと思っているので、状況にあわせて適宜チューニングを重ねています。さらなる最適化を進めていきたいと考えており、ワクミーはそれを可能にするポテンシャルがあるツールだと思っています。

ワクミーは、予約時間帯の調整や人数の変更が容易にできるため、最初は30分枠で始めた時間帯予約を15分枠に調整したり、1時間あたりの診察人数を変更したりするなど、現状でもいろいろと調整は可能なのですが、私自身いろいろいじってみて試しながら運用しているところもありますので、もっと手軽に細かい変更ができるようになると良いなと思います。

そうすることで、当院の業務効率化はもちろん、患者さんの利便性もさらに向上すると考えています。これからも、システムの継続的な改善をよろしくお願いいたします。

編集後記

しばキッズクリニック院長の柴徳生先生に、主に小児科クリニックにおける予約システム「ワクミー」時間帯予約の運用事例についてお伺いしました。

急性期の来院が多く小児科クリニックではなかなか採用されにくい時間帯予約ですが、同院では、時間間隔の調整や順番受付との併用などにより、自院に合った予約体制を構築されています。

今回の運用事例をお聞きして感じたのは、順番受付と時間帯予約を分けて考えるのではなく、システムの併用や機能のカスタマイズにより、自院や患者にとって”最適な予約システムの体制を構築”することです。

それぞれの医療機関にとって最適なご提案ができるよう、今後もシステムの改善に取り組んでまいります。

※本ページに掲載している情報はすべて取材当時のものです。変更等が発生している場合がございますので最新情報はご確認ください。

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