2025.02.26

活用事例

WEB問診の回答率を上げる3つのポイント!現場で使える対策のご紹介

悩む医師
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医療機関の業務効率化や診療の質の向上を図る上で、WEB問診を活用した患者情報の収集は、非常に重要です。しかし、せっかくWEB問診を導入しても、患者の問診回答率が低ければ、その効果を十分に発揮できません。

実際にWEB問診シムビューを活用しているクリニックの多くは、高い問診回答率を実現しています。そのため、動線の工夫や運用方法次第で回答率を向上させることが可能です。

本記事では、WEB問診の回答率を向上させる具体的な方法をご紹介します。

1.WEB問診の回答率を上げた方が良い理由

診察で説明する医師

WEB問診で事前に患者情報を把握することで、以下のようなメリットが得られます。さらに、回答率が向上することで、これらの効果を最大限に発揮できます。

  • 診察の効率化
    事前に症状や既往歴などの患者情報を確認できるため、診察の流れがスムーズになります。
    また、問診情報はそのまま電子カルテに反映できるため、転記ミスによる繰り返しの確認など不要なやり取りを減らすことも可能です。
    さらに、診察前に患者情報を把握できることで、診察中は患者としっかりと向き合い、本質的な診察に集中できるのもメリットです。

  • 受付業務の負担軽減
    WEB問診に事前に回答していない患者には、院内で紙の問診票を記入してもらうクリニックも多いですが、紙の問診票では、患者が記入した内容をスタッフが電子カルテに転記する作業や、紙の管理に手間がかかります。
    WEB問診なら、患者が入力した情報をそのまま電子カルテに取り込むことが可能です。
    高齢の方等、どうしてもWEB問診での回答が難しい患者を除いて、WEB問診の回答率を上げることで受付業務の負担を軽減できます。
    詳しくは、「WEB問診シムビューが実現する業務効率化」をご参照ください。

  • 患者の待ち時間短縮
    事前にWEB問診を記入してもらうことで、診察の流れがスムーズになり、受付業務の負担も軽減されます。
    これにより、診療全体の効率化が進み、患者一人あたりの診察時間が短縮されます。
    その結果、院内での待ち時間が短くなり、患者のストレス軽減や満足度向上につながります。

2.他院のWEB問診システムの利用状況は?アンケート結果から見る現状

パソコンをみて考える医師

WEB問診シムビューを導入いただいている医療機関を対象に実施した「問診回答状況アンケート」(n=67)の結果を紹介します。WEB問診システムの導入、運用の参考にしてください。

※調査概要

調査方法:オンラインアンケート(Googleフォーム使用)
調査対象:WEB問診「Symview」を導入しているクリニック
サンプル数:67施設
実施期間:2022年11月(約1ヵ月間)
調査主体:株式会社レイヤード(自社調査)

Q1: 現状のWEB問診の回答数に満足していますか?

  • 満足している: 82%
  • 不満足: 18%

アンケートを実施した月の各医療機関の問診回答数の平均は「675件/月」でした。
なお、不満足と回答したクリニックでは、「平均より多い回答数を目指したい」と「平均より少ない回答数で良い」が半々という結果となりました。

Q2: WEB問診に回答しない患者の特徴はどんな方ですか?(複数回答可)

回答結果は以下となりました。

【1位】ご高齢の方(86.6%)
【2位】スマートフォンや機械の操作が苦手な方(76.1%)
【3位】WEB問診を面倒だと思っている方(56.7%)
【4位】再診や定期受診でそもそも問診回答をお願いしていない方(40.3%)
【5位】急いでいて時間が無い方(31.3%)
【6位】ホームページを見ていない方(26.9%)
【7位】予約システムで予約を取っていない方(20.9%)
【8位】QRコード読み取りでの問診回答が難しい方(13.4%)

ご高齢の方や機械の操作が苦手な方がWEB問診に回答されない場合が多いようです。
また、他にも以下のような理由が回答されていました。

  • WEB問診回答に通信料がかかることを気にされる方
  • 接触感染を気にしていて、院内の貸し出し用タブレット端末を触りたくない方
  • 外国人の方
  • スマートフォンを持っていない方
  • 海外から回答をしようとした方(※セキュリティの為、海外からのアクセスが遮断されている)
  • 最後の送信ボタンを押し忘れてしまった方

Q3: WEB問診の回答を増やす取り組みで、手応えがあったものがあれば教えてください

【患者が来院する前】

  • 予約システムで入力した情報がWEB問診に引き継がれる連携をすることで、手間なく問診回答できるようにする
  • ホームページにWEB問診バナーを設定する
  • 予約システムのお知らせ欄に、WEB問診のメリット(待ち時間短縮・感染症予防)を掲載する
  • 公式LINEアカウントのお友達登録を増やして普及させ、リッチメニューから問診回答してもらう
  • 発熱外来受診希望や発熱患者の場合、事前のWEB問診回答を必須にする
  • WEB問診入力済の方は予約済みとして処理され、待ち時間短縮になる旨を案内する
  • 患者に電話して入力を依頼する
  • WEB問診未回答の場合は、呼び出しの順番が遅くなる旨を患者に伝える
  • 未回答で来院した患者には、QRコードと「受付済の方はWeb問診をお願いします」が印刷されたカードを渡しスマホから問診回答をしてもらう
  • 「ペーパーレスに取り組んでいますので、ご協力をお願いします」と声をかける 

【患者の来院後】

  • 患者に渡す番号札に、WEB問診の回答ができるQRコードを表示する
  • 入力をしていない患者の診察終了後に、スタッフが次回以降の入力方法の説明を行う
  • 本人の入力が難しい場合、スタッフが代理入力を行う
  • 「窓口でweb問診ありがとうございました」と患者に伝える
  • 院内にWEB問診の案内を掲示する
  • 受診時に丁寧に説明をする

3.WEB問診の回答率を上げるための3つのポイント

PCを見て悩む医師

アンケートの結果も参考にして、WEB問診の回答率を向上させるための3つのポイントをご紹介します。
それぞれのポイントは、患者の負担を減らし、回答を促進するために有効な方法です。ぜひご参考ください。

①網羅的な動線設計

WEB問診へのアクセスをスムーズにするためには、患者が問診に簡単にたどり着けるような動線を整えることが重要です。

  • 予約システム:予約完了画面やリマインド通知にWEB問診のリンクを設置する
  • クリニックのホームページ:スマートフォンでも分かりやすい位置にWEB問診のリンクを配置する
  • 公式LINEアカウント:リッチメニューにWEB問診のリンクを固定表示する
  • 電話自動応答システム(SMS送信):予約確認のSMSにWEB問診のリンクを記載する
  • QRコードの活用:来院時に問診未回答の患者へQRコード付きカードを渡す
  • 貸し出し用タブレット端末:来院時にWEB問診未回答の患者にタブレットを貸し出す

様々なタイプの患者がいますので、一つの動線だけでは不十分です。
クリニックの方針によっては対応できない内容もあるかもしれませんが、できるだけ網羅的な動線を組み合わせておくことで、WEB問診の回答率を向上させることができます。

②来院前に回答できる仕組み(院外回答率を増やす)

QRコードの活用や院内でのタブレット端末の貸し出し等、院内での問診回答ももちろん可能ですが、業務効率化や待ち時間短縮等の効果を考えると、来院前に回答してもらうことが好ましいです。以下の方法が効果的です。

  • 予約時にWEB問診のリンクを案内する
  • 予約後にSMSやLINE、メールでリマインドを送信する
  • 「事前に問診を回答すると待ち時間が短縮される」ことを患者に伝える

来院までに自分のタイミングで回答できる仕組みを作ることで、患者の自発的な問診回答が期待できます。
ただし、来院日までに時間が空いてしまうと、忘れてしまう患者も多いため、SMSやLINE、メールでのリマインドは送るようにしましょう。

③未回答要因への対策

WEB問診に回答しない理由はさまざまですが、患者一人一人の理由に応じて対策を講じることが重要です。

アンケートでは、特に「高齢者やスマホ操作が苦手な患者」「面倒だと思っている患者」「急いでいる患者」が多く、このような患者への対応がWEB問診の回答率を向上させるカギとなります。

次の章では、それぞれの未回答要因に対する具体的な対策を紹介します。

4.WEB問診未回答者への対応策

問診対応する受付

WEB問診の未回答者への対応策として、特に高齢者やスマートフォン操作が苦手な患者、面倒だと思っている患者、急いでいる患者に向けた具体的なアプローチを紹介します。

高齢患者やスマホ操作が苦手な方への対応

高齢者をはじめ、スマートフォンやタブレットの操作に不慣れな患者は、WEBでの入力に苦手意識を持つことがあります。そのため、入力しやすいシンプルな問診の設計や、迷わず操作できる動線の整備、サポート体制の充実が効果的です。

初回はクリニック側のサポートが必要な場合も多いですが、2回目以降はスムーズに入力できる患者も増えるため、WEB問診の利用を促進する工夫を取り入れましょう。

問診の設問をシンプルにする

  • 選択式の質問を増やし、入力の負担を軽減
  • 写真アップロードやフリーテキスト形式の質問を減らす

LINE公式アカウントを活用

  • 高齢の方でも家族とのやり取りでLINEを使い慣れている場合が多い
  • 初回はお友達登録を案内し、リッチメニューにWEB問診のボタンを設置

院内でのサポート体制を整える

  • タブレットを受付に設置し、スタッフが入力をサポート

「面倒だ」と感じる患者へのアプローチ

WEB問診に対して、「面倒だ」「時間がかかる」と感じる患者も少なくありません。
そのような患者には、WEB問診を回答するメリットを明確に伝えるのが有効です。

WEB問診のメリットを伝える

  • 事前に回答することで待ち時間が短縮されます
  • 未回答の際よりも来院時の案内がスムーズになります
  • 感染症対策にもつながります
  • 医師が事前に情報を把握するため、診察がスムーズに進みます

これらのメッセージを予約システムやホームページ、問診開始画面などに記載することで、患者の意識を変え、回答率向上につなげることができます。

急いでいる患者への対策

時間に余裕がなく、早く診察を受けたい患者に対しては、短時間で回答できる工夫やリマインドの活用が有効です。

短時間で回答できるように設計

  • 質問数を必要最低限に減らす
  • 選択式の設問を増やし、入力の手間を軽減

事前リマインドを送信

  • 予約確認時に「WEB問診の回答で診療がスムーズになります」と伝える
  • 来院前にLINEやSMSで「事前に回答いただくと、待ち時間が短くなります」と通知する

5.まとめ

スマホでWEB問診

本記事では、WEB問診の回答率を向上させるポイントをご紹介しました。

回答率が向上することで、業務効率の改善、診察の質の向上、患者の待ち時間短縮など、WEB問診の導入効果を最大限に引き出すことができます。そのためには、予約システムやLINEなど、他の院内システムとの連携も重要です。

レイヤードでは、WEB問診の導入はもちろん、効果的な動線設計や院外の問診回答を促進する仕組み作りなど、各種システムを組み合わせた最適な患者動線のご提案・サポートを行っています。

無料相談も受付けておりますので、ぜひお気軽にお問合わせください。

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