2024.04.18
活用事例
2024年(令和6年)度 診療報酬改定:生活習慣病管理の見直し
効率的な療養計画書作成と患者管理とは
2024年(令和6年)度 診療報酬改定で、大きな話題となっているのが生活習慣病管理の見直しです。
これまでの改定議論の中で、生活習慣病患者の管理について「生活習慣病管理料」と「特定疾患療養管理料」の内容が似通っているという指摘がありました。そこで特定疾患療養管理料の対象疾患から生活習慣病である高血圧症、脂質異常症、糖尿病を除外し、生活習慣病管理料に一本化することになりました。
生活習慣病管理料の算定にあたって、従来の療養計画書は簡素化されましたが、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)ともに療養計画書をもとに患者の同意をとったうえで、治療を進めていく必要があります。
今回は、療養計画書作成や生活習慣病患者の管理に悩まれる先生が多い中、各種デジタルツールを活用することで実現できる効率的な運用方法についてご紹介します。
特定疾患療養管理料から生活習慣病管理料へ
今回の改定では、上述のとおり、高血圧症、脂質異常症、糖尿病の3つが特定疾患療養管理料の対象疾患から除外され、生活習慣病管理料に一本化されることになりました。
また、生活習慣病管理料に一本化されるにあたり、従来の生活習慣病管理料(Ⅰ)は要件が緩和され、検査等を包括しない生活習慣病管理料(Ⅱ)が新設されました。
主な変更点を抜粋すると、以下のとおりです。
- 2024年度診療報酬改定において、特定疾患療養管理料の対象疾患から、高血圧症・糖尿病・脂質異常症が除外。
- 上記3つの生活習慣病については、現行基準を緩和した生活習慣病管理料(Ⅰ)、および検査等を包括しない生活習慣病管理料(Ⅱ)に区分。
- 概ね4ヶ月に1回は治療計画を策定し、患者に対して療養計画書により説明・同意を得た上で発行、控えをカルテに添付する。月1回の治療管理の要件は廃止。
- 外来管理加算、医学管理等の費用は管理料に含み、併算定不可。
- 患者の状態に応じ**「28日以上の長期投薬」または「リフィル処方箋交付」が可能な旨を院内の見やすい場所に掲示**し、患者から求められた場合に適切に対応する。
- 治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師・薬剤師・看護師・管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。
- 糖尿病の患者について、歯周病の診断と治療のための歯科受診の推奨を行うこと。
生活習慣病管理料(Ⅰ)の診療報酬点数
- 脂質異常症:610点
- 高血圧症:660点
- 糖尿病:760点
※従来の生活習慣病管理料より40点アップ
生活習慣病管理料(Ⅱ)の診療報酬点数
- 333点
※新設
※改定内容の詳細については厚生労働省の発表資料をご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
効率的な運用のための3つのポイント
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)どちらにもおいても約4ヶ月に1回の療養計画書作成および患者への説明・同意が必要になること、またこれまで特定疾患療養管理料で算定していた患者の移行と今後の療養計画書作成対象の患者管理もしていく必要があり、クリニックの業務負担が大きくなってしまいます。
業務負担をなるべく増やさずに効率的に運用していくためには、以下の3つがポイントになります。
1)効率的な療養計画書の作成
もっとも負担が大きいと思われるのが療養計画書の作成です。 概ね4ヶ月に1回、作成する必要があること、また、患者への説明と同意取得も必要になるため、作成〜患者説明・同意までの流れをどう進めるか、院内で体制を構築していく必要があります。
2)患者管理の徹底
従来、特定疾患管理料で算定していた高血圧症・糖尿病・脂質異常症の患者を抽出し、生活習慣病管理料にスムーズに移行する必要があります。また、今後の算定漏れを防ぐために、当月の療養計画書を作成する患者を抽出し、管理していく必要もあります。
3)患者指導体制の整備
療養計画書では、患者と相談して目標を設定したり、生活習慣をヒアリングした上で適切な改善領域を指導する必要があります。患者とともに意思決定をしていくことが求められるため、患者にも生活習慣病について理解をしてもらう必要があります。また、医師のみで対応することは難しいため、スタッフも含めて指導できる体制を整備していくことも求められます。
レイヤード製品でできること:生活習慣病管理 特別パッケージのご紹介
レイヤードでは、WEB問診Symview(シムビュー)、PRM(患者管理システム)Kakarite(カカリテ)、患者指導デジタルコンテンツを組み合わせて活用することで、今後の生活習慣病管理に対応できるパッケージをご用意しています。
WEB問診Symviewの電子同意書機能を活用した療養計画書作成
WEB問診Symviewの電子同意書機能は、自宅で事前に患者情報等を入力したり、患者向けの説明コンテンツを表示したりすることができます。
この機能を活用して、療養計画書作成を支援する内容を用意しています。
まず、生活習慣病料算定の受診前(2回目以降の受診日前)に、患者に療養計画書作成用のWEB問診に回答してもらいます。この問診には、目標設定や生活習慣指導に必要な項目をあらかじめ患者自身に入力してもらう質問が設定されています。
さらに、問診の中で、生活習慣病のリスクや治療、指導について理解してもらうために、イラストや写真を掲載した解説画像や動画等の説明コンテンツが表示され、患者の理解を促します。
受診日当日には、患者の理解が不十分な箇所を医療者から説明します。その上で、シムビュー上で患者に電子サインをしてもらい、療養計画書の作成が完了するという流れです。
PRM(患者管理システム)Kakariteを活用した患者管理
PRM(患者管理システム)Kakariteは、レセプトデータをアップロードすることで自動的に患者データベースを構築できるシステムです。
カカリテを活用することで、従来、特定疾患療養管理料を算定していた患者を一覧化し、生活習慣病管理料へ確実に算定移行できているかを管理することができます。
また、カカリテの治療計画管理機能で、患者ごとに療養計画書作成の時期を管理し、今月に療養計画書の作成が必要な患者を一覧で把握することができます。
これにより、算定の移行はもちろんのこと、今後発生する4ヶ月に1回の療養計画書作成のタイミングを逃さずに患者管理を行うことができるようになります。
併せて、患者指導用のデジタルも多数ご用意しています。院内でプリントアウトして患者に手渡してもらったり、タブレット等で画像を表示して生活習慣指導時等にご活用いただけます。
YouTube Wevery!チャネルで紹介されました
デモ画面や運用方法はWevery!チャンネルで詳しくご紹介しています。
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