2019.02.07

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紙カルテでもWEB問診を導入
 その狙いと紙カルテでのWEB問診運用について聞きました

神奈川県藤沢市

河合耳鼻咽喉科


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神奈川県藤沢市にある河合耳鼻咽喉科は、70年も続く歴史ある耳鼻咽喉科の診療所です。河合耳鼻咽喉科では現在も電子カルテを導入しておらず、紙カルテで診療を行っています。そんな中でもWEB問診システム Symviewをいち早く導入いただき、約半年ほど運用していただいております。今回は、河合耳鼻咽喉科の河合信孝院長、および窓口業務をされていらっしゃる奥様に、紙カルテにおけるWEB問診の運用方法や効果、患者様からの反応などについてお伺いしました。

患者への説明時間を確保するためにも問診にかける時間を削減したかった

WEB問診を使おうと思ったきっかけを教えてください

最初私が当院に入った時には父親とやっていて、そこから電子カルテに移行するタイミングがなかなかなく、今のところ紙カルテで診療しています。もちろん将来的には電子カルテへの移行なんかも考えていますが、業務の変更となるとスタッフにとっても負担が大きいことなので、まだ決断できずにいます。
参加している勉強会でレイヤードのWEB問診を知るきっかけがあって、もともと興味があった領域なので、これは良さそうと思って即導入しました。目的としては、診察の効率化です。当院では患者さんに丁寧に説明するよう心がけていることもあって、説明にかける時間を確保するためにも、少しでも患者さんの病状などをお聞きする診察内での問診の時間を減らしたいと思ったからです。
紙の問診だけだとあまり細かく聞けるわけではないので、最初はスタッフにも頼んで、足りないところを患者さんからヒアリングして追記してもらうような取り組みもしていました。でもスタッフの医療知識にもバラツキはありますし、うまく必要な情報が聞けていないこともあったんです。そういう部分がWEB問診によってシステム面でカバーできれば良いなと思い導入しました。

WEB問診は紙で印刷、紙問診と同じフローで運用

紙カルテとWEB問診の組み合わせでの運用方法を教えてください

予約システムはアイチケットを利用していて、アイチケットで順番取りをした患者さんにWEB問診を入れていただいています。窓口に直接いらした方には、ご自身のスマホからWEB問診を入力いただいたり、iPadをお渡しして問診入力をしていただくこともあります。
回答いただいた問診は、受付で確認して印刷しています。受付で追加できいたようなことは下の方に手書きで記載した上で、カルテに挟んで診察室に回ってきます。

▲問診結果は紙出力用フォーマットに整形され印刷することができます。

紙問診から変わって戸惑ったことはありますか?

運用自体は紙の問診時と変わらないので、戸惑いは無いですね。むしろ紙の問診の頃は一律の質問だったのが、WEB問診になると患者さんの症状に合わせて質問が変化して深い質問までしてくれるので、診察室の患者さんに聞かなくてはいけないことは格段に減らすことができています。

思ったよりも患者も使ってくれる。家で入力してくれる方も徐々に増加傾向

全体のうちどの程度の割合でWEB問診を入力してもらっていますか?

当院では前回の受診から3ヶ月過ぎた方は必ず問診を取るようにしています。そのうちご高齢だからということで、紙の問診に回答していただいているのが3割ぐらい。ですから、7割ぐらいの患者さんにはWEB問診を使っていただいています。このあたりは大学がたくさんあることもあって、若い患者さんが多いのですが、若い方はすぐやっていただけますね。

(奥様)若い方は全然問題なく入力していただけますね。意外と年配の方でも紙より記入が楽って言っていただける方もいらっしゃるので、そういう時代になってきたなと感じますね。確かに3割ぐらいは「紙の方が…」という患者さんもいらっしゃいますけど、思ったより使ってくれている、という感覚がありますね。
予約経由で入れていただく方も、最初はポツポツ、ぐらいだったので徐々に増えつつあるな、と感じています。これからはあらかじめ問診を家で入力してくださる方が増えてくるんじゃないかという感じはします。

▲受付にもWEB問診のQRコードを置いていただいています。

問診のきめ細やかさと情報量の多さを評価。情報が多すぎる点は課題

WEB問診を運用してみて、今までの紙問診との違いなどはありますか?

紙で書いてもらっている情報量よりもWEB問診の方がはるかに情報量が多いので、診察効率は確実に上がりますね。例えばめまいなどの耳鼻科に多い症状は、問診を詳細に聞くことでかなりの部分で診断にたどり着きます。こういった疾患などでも役に立ちますし、問診時間を減らすことができた分、説明に時間をかけることができています。唯一欠点としては、情報量が多い分読むのが大変というのはありますね(笑)。その点は紙だけでなくモニターでも見つつ、重要な部分が赤くなっててくれてるので、そのあたりでカバーしています。

WEB問診で一番評価しているのは、やはり問診のきめ細やかさですね。やはり私自身も患者が多く疲れてくると、細かい部分まで丁寧に聞くことが難しくなったりすることもあります。その点でもこういう仕組みでカバーできるのは、患者さんにとってもドクターにとっても有益だなと思いますね。

約半数の患者が「紙より良い」と評価

患者さん・スタッフからの評価はいかがですか?

WEB問診の最後に「紙の問診と比べてどうですか?」というアンケートがついていて、その中でも大半の患者さんは「紙より良い」と答えてくれているので、患者さんからの評判も上々かなと思います。
以前は、紙の問診以外にもこういうこと聞いてきて、とスタッフに要求してたりしたんですけど、そういった手間がなくなった分、スタッフからも概ね高評価ですね(笑)

(奥様)導入当初は、本当に大丈夫かな?という思いがありました。問診を入れているのに来ない人がいたりとか。それに、問診を入れた時点で予約だと勘違いされるのは嫌だなという思いもあったんです。でも皆様にお話しすると理解いただけますし、すごい苦情を言う人はまずいなかったので一安心です。

 
▲問診アンケート。全体の約半数が紙より良いと評価

編集後記

河合耳鼻咽喉科様は非常に混雑しているクリニックですが、混んでいる中でも丁寧な説明を心がけたいという先生の思いを非常に強く感じました。WEB問診を入れて診察時間を短くすると、患者からは冷たく感じられるのではないか?というご心配をよくお聞きしますが、「きちんと患者と向き合うために、診察効率を上げる」という考え方に、私自身患者の立場からしてもしっくり来ました。問診システムは、電子カルテの記載の手間を減らす、という点が強調される部分がありますが、紙カルテであってもしっかり診察効率の向上に寄与できる、というお話をお伺いできて非常に参考になりました。

※本ページに掲載している情報はすべて取材当時のものです。変更等が発生している場合がございますので最新情報はご確認ください。

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