2023.01.27

活用事例

時間外対応加算:電話自動応答システムIverを活用し、
かかりつけ患者に絞り時間外対応する方法

「時間外対応加算」は、診療時間外の患者対応を評価する仕組みです。

いつでも相談できるクリニックの存在は、生活者にとってとても大きな安心材料です。

しかし、時間外対応の体制を整えるためには、全ての電話問合わせを先生の携帯電話に転送すべきなのか、対象患者に先生の携帯電話番号を教えておくべきなのかなど、対応に悩まれることも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、電話自動応答システム アイバーを活用し、時間外の電話対応導線を整備する方法をご紹介します。

時間外対応加算の概要

時間外対応加算は、診療時間外の夜間や休日に、電話対応、外来診療や往診、他の医療機関の紹介といった患者対応を行うことを評価する仕組みです。

かかりつけ医としての機能を強化する目的があるため、加算の対象は再診患者に限られます。

加算点数及び施設基準は、以下の時間外対応加算1から3の通りです。(R4 保医発0304第2号より一部抜粋)

時間外対応加算1:5点
診療所を継続的に受診している患者からの電話等による問い合わせに対し、常時対応できる体制がとられていること。

時間外対応加算2:3点
(1)診療所を継続的に受診している患者からの電話等による問い合わせに対し、標榜時間外の夜間の数時間は、原則として当該診療所において対応できる体制がとられていること。
(2)休診日、深夜及び休日等においては、留守番電話等により、地域の救急医療機関等の連絡先の案内を行うなど、対応に配慮すること。

時間外対応加算3:1点
(1)診療所(連携している診療所を含む。)を継続的に受診している患者からの電話等による問い合わせに対し、複数の診療所による連携により対応する体制がとられていること。 
(2)当番日については、標榜時間外の夜間の数時間は、原則として当該診療所において対応できる体制がとられていること。
(3)当番日以外の日、深夜及び休日等においては、留守番電話等により、当番の診療所や地域の救急医療機関等の案内を行うなど、対応に配慮すること。
(4)複数の診療所の連携により対応する場合、連携する診療所の数は、当該診療所を含め最大で3つまでとすること。

時間外対応加算1から3のいずれの場合においても、標榜時間外に電話対応できることが施設基準を満たす重要な要素となっています。

この施設基準に対応するためには、標榜時間外にも連絡がつながる医師や看護師、スタッフの連絡先を用意し、かかりつけ患者に知らせる必要があります。

時間外対応の課題は患者のスクリーニングと連絡先の案内方法

時間外の電話対応を行うための方法として、代表電話番号への問い合わせを医師の携帯電話に転送する、または患者に緊急連絡先を伝えることが挙げられます。しかし、この対応には3つの課題が想定されます

  1. 電話転送では、対象外の問合わせもかかってきてしまう
    診療時間外にクリニックの代表電話から先生の携帯電話に転送するケースもありますが、かかりつけ患者だけでなく、その他の問合わせも受けてしまうことがあります。

    例えば、新患から「自分の症状で受診が可能か」といった問合わせや、営業電話などもかかってくる可能性があります。

    対象患者のみに対応を行うためには、電話を転送する前に患者のスクリーニングを行う必要があります。 
  2. 複数の医師・スタッフの連絡先を集約できる問合わせ導線が必要
    時間外の電話対応を複数人の医師・スタッフで行う場合、時間外対応用の電話番号も複数になります。
    しかし、患者に複数の連絡先を伝えることは難しいのではないでしょうか。
     
    対策として、患者に案内する連絡先は代表電話番号のみ、その後の転送先を複数に分岐させる、といった電話問合わせ導線を整えていくことが必要になります。 
  3. 他医療機関の連絡先を患者に伝えるのが難しい(加算2・加算3)
    連携している他の医療機関の連絡先を伝える際、時間外対応加算2・3の要件には「留守番電話等により(中略)案内を行うなど、対応に配慮」と記載があります。

    しかし、留守番電話による案内のみでは、患者が連絡先を聞き逃してしまうケースも想定されます。

    患者の手間を最小限にし、留守番電話以外で連携医療機関の連絡先を周知する方法も検討が必要です。

Iverで時間外対応の対象患者をスクリーニング

電話自動応答システムアイバーは、患者からの電話問合わせに自動応答し、選択されたメニューに応じて音声案内や転送を行う電話自動応答システムです。

電話問い合わせをした患者は音声ガイダンスに従って、問合せ内容のメニューを選択します。

その中に、緊急の場合のメニューを設定しておきます。そのメニューを選択した患者には、さらに診察券の有無を選択してもらう分岐メニューをつくります。

これにより、時間外対応の対象患者をスクリーニングすることができます。

その後の案内は、以下のように設定することができます。

  1. 診察券をもっている=時間外対応の対象患者
    医師の携帯電話等に電話を転送します。
  2. 診察券をもっていない=時間外対応の対象ではない患者
    SMS送信で近隣の救急対応医療機関の案内を送信します。

自動音声案内で時間外対応はできない旨をアナウンスするだけでも問題ありませんが、受診先を案内することで満足度につながり、いずれ自院の患者になってくれる可能性が高くなります。

「転送スケジュール機能」で、複数の医師やスタッフへの連絡導線を整える

アイバーには、複数の医師やスタッフに転送を行うことができる「転送スケジュール機能」があります。

転送先は曜日や時間帯ごとに指定でき、時間外対応可能な医師・スタッフに事前に電話対応を割り振ることができます。

また、複数件登録した連絡先の中で、転送優先順位を設定できます。

例えば、まずは看護師に転送し、看護師が電話に対応できなければ医師に転送する、といった取り次ぎをアイバーが自動で行います。

この転送スケジュール機能により、患者に複数の連絡先を伝えることなく、アイバーから複数の医師やスタッフに転送する導線を整備することができます。

留守番電話ではなくSMS送信で他医療機関の連絡先を伝える

自動音声メニューで「診察券を持っていない」を選択した患者、または時間外対応の当番日以外の日には、アイバーのSMS送信機能を活用し、他の医療機関の連絡先を伝えることができます。

テキストで連絡先を伝えることで、留守番電話での案内で想定される情報の聞き逃しを防ぎます。

さらに患者は、SMSで受け取った電話番号をタップし、すぐに医療機関へ電話をかけることができます。

具体的には、対象外の患者に対して、または当番日以外には、下記の自動音声とSMS送信を行う設定をします。

  • 自動音声案内:「現在は受付時間外です。緊急のご連絡先をショートメッセージでお送りします。」
  • SMS送信:連携している医療機関の連絡先を記載したショートメッセージ(下記参照)

今回は、アイバーを活用することで、時間外対応加算に求められる体制を整備する方法をご紹介しました。

アイバーによるスクリーニングで時間外の電話対応をかかりつけ患者に絞り、さらに転送スケジュール機能で、複数の医師やスタッフが電話対応を行える体制を整えることができます。

このような使い方をご希望の医療機関様は、お気軽にお問合わせください。アイバーが持つ各機能の詳しいご紹介や、貴院に合わせた使い方をご提案させていただきます。

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