2022.03.17
活用事例
小児コロナワクチン:WEB問診で来院前に情報収集することでかかりつけ患者以外でも効率的な運用を実現
小児(5〜11歳)のコロナワクチン接種が各自治体ではじまりました。
小児のコロナワクチンは、丁寧できめ細かい説明・対応が必要になることから、かかりつけ医での個別接種がすすめられています。
しかし、すべての小児科がコロナワクチン接種に対応しているわけではないため、個別接種を実施している小児科医院では、かかりつけ患者以外の問合せや接種に関する対応をしているところが少なくありません。
そのため、保護者からの問合せやワクチンの予診対応などで、業務負担が大きくなっているというお声を小児科の先生方からよく聞くようになってきました。
そこで、今回はWEB問診Symviewを活用して、小児コロナワクチン対応を効率化し、業務負担を軽減する方法をご紹介します。
小児コロナワクチン接種での課題
実際にコロナワクチン接種に対応している小児科クリニックでは、以下のような課題に直面しているようです。
①接種希望者一人ひとりの説明に時間がかかる
小児の場合、科学的なデータがまだ十分に集まっていないこともあり、接種前に本人や保護者に対して十分な説明を行う必要があります。大人に対する説明とは異なり、伝えるべき内容を噛み砕いて説明したりするため、一人ひとりの対応に時間がかかってしまいます。
②かかりつけ以外の患者の情報収集に手間がかかる
自院のかかりつけの患者さん以外の接種希望者の場合、事前の情報収集に手間がかかります。ほかの予防接種との間隔をきちんと取っているか、かかりつけの医師にワクチン接種のことを事前に相談しているか等、確認すべき項目が複数あるため、予約前に電話による予診という業務が発生します。
1人の接種を行うために時間がかかってしまうことから、結果として通常業務にも支障が出てしまうケースがあるようです。
WEB問診を活用し、事前の情報収集や確認を効率化
これらの課題は、詳しい事前情報をなるべくスタッフの手が取られずに得られることで軽減につながります。そこで、接種希望者が事前に自分のスマホで詳しい予診に答えられるWEB問診Symviewが役に立ちます。
Symviewでは自由に問診内容をカスタマイズできるため、基礎疾患やかかりつけ医(または主治医)への相談の有無、他のワクチンスケジュールなどの情報が事前に得られます。また、質問だけでなく、説明文などを表示することもできます。説明文では接種のメリット・デメリットなどを事前に確認してもらい、直接の説明の負担を軽減します。
WEB問診での事前確認を含む接種までの流れ
予診にWEB問診を活用して接種を行う流れは、以下のとおりです。
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① ワクチン予約
② 希望者(基本的にはその保護者)にWEB問診を入力してもらう
③ WEB問診の入力内容を医療機関が確認する
④ 内容に応じて医療機関から連絡する
⑤ ワクチン接種
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①ワクチン予約
予約システムを利用されている場合は、予約画面上にWEB問診の入力依頼とリンクを表示することでスムーズに入力を促します。お電話で予約を取る場合はホームページなどにWEB問診のリンクを貼り、そこから入力するように案内します。
事前確認となりますので、なるべく予約直後に入力を促し、接種予定日まで余裕を持って医療機関側で内容を確認できるようにします。
②希望者(基本的にはその保護者)にWEB問診を入力してもらう
基本的には接種希望者の保護者に、事前問診としてWEB問診を入力してもらいます。
自宅などで落ち着いた環境で入力できるため、母子手帳で他の予防接種のスケジュールを確認したり、接種前に医師に聞きたいこと等もあらかじめ入力しておくことができます。
また、ワクチンのメリット・デメリット等、説明事項も表示することができるため、確認事項を読んでもらい、改めて家族で相談する時間をつくってもらいやすくなります。
③WEB問診の入力内容を医療機関が確認する
接種希望者が入力してくれた事前問診の内容は、Symview管理画面で確認します。
大人のワクチン接種で活用した医療機関では、以下のような内容で事前確認を行っていました。
事前問診を確認して、接種前に確認が必要な方をスクリーニングし、電話等であらかじめ確認するという運用方法をとることで、ワクチン接種当日に接種できないというケースを未然に防いでいました。
一点、注意が必要なことはコロナワクチン接種の予診票は指定の用紙を使う必要があります。そのため、この事前確認問診をそのまま予診票として使うことはできず、あくまでも事前情報を得るために利用しています。
④内容に応じて医療機関から連絡する
上記のとおり、事前問診を確認し、必要に応じて接種希望者に連絡を入れます。
全員に連絡するのではなく、事前問診でスクリーニングを行い、必要な方にのみ電話連絡をするため、スタッフの業務負担軽減にもつながります。
⑤ワクチン接種
事前問診で問題がなかった方は、ワクチン接種当日に接種という流れになります。
当日、改めて医師から説明をすることになりますが、事前にWEB問診上で確認事項等を読んできてもらうことで、家族間での話し合いができていたり、不明点が明確になっていたりするため、子ども本人と保護者の理解は得られやすくなります。
また、Symviewの管理画面では、基礎疾患や服薬状況を条件に待機時間をラベルで表示させることもできます。接種後の待機時間の案内にも役立ちます。
WEB問診を活用すると便利な事前確認事項
スタッフが電話で個別に確認しているような内容を、WEB問診にまとめてワクチン接種希望者に入力してもらうと便利です。
①接種の不適当・要注意の確認
過去のアナフィラキシーの有無や、その他の要注意内容を確認します。
接種の可否判断や、当日の注意事項の確認に役立ちます。
Symviewには写真アップロード機能がありますので、お薬手帳の写真をアップロードしてもらうことで、服薬状況の確認が可能です。
②かかりつけ医との相談の有無
小児のコロナワクチン接種に関しては、かかりつけ医と事前に相談することが推奨されています。そこで、自院のかかりつけの患者さんではない場合には、事前にかかりつけ医と相談ができているかどうかの確認を質問として設定しておくと便利です。
かかりつけ医と相談ができていない場合、接種できない旨の案内を表示しておくことで、接種日当日に接種を受けられないという事態を回避できます。
③接種のメリット・デメリットの事前説明を表示
特にかかりつけの患者でない場合は、接種前の本人・保護者に対して説明や情報共有の時間がなかなか取れません。そこで、メリットデメリットについて本人・保護者がしっかりと確認できるよう問診内にも説明表示が可能です。
リンクを設定することもできるので、厚労省が用意した子どもへの説明用のパンフレットを表示することも可能です。
④コロナワクチン接種予定日の前後2週間以内での他の予防接種スケジュール確認
コロナワクチンは前後2週間で他の予防接種ができないため、予定日から遡った2週間の接種の有無や、今後の接種の予定を確認します。
他ワクチンを接種済みで、当日接種ができないことや、接種により他のワクチンスケジュールを変更する必要が生じるなどのトラブルを防止します。
以上、WEB問診で事前に聞き取りをしておくと便利な項目をご紹介しました。
Symviewでは、医療機関ごとのカスタマイズが可能ですので、この他にも事前に収集しておきたい項目を追加することもできます。
+α かかりつけの患者にのみコロナワクチン接種を行いたい先生むけのWEB問診活用方法
小児コロナワクチンの接種では、ホームページ等に実施している旨を掲載すると、否定的な意見が届くことがあり、実施をためらうという医療機関もあるようです。
かかりつけの患者には実施したいという医療機関も多く、かかりつけの患者の接種希望を確認する方法もご紹介しておきます。
ほかの来院目的で受診する際に入力してもらうWEB問診に、コロナワクチンの接種希望を聞き取る項目を入れるという方法があります。
接種希望者には、受診時にワクチン接種の注意事項やメリット・デメリットの説明を行い、納得いただいた上で接種の予約を取るという流れがスムーズです。
小児のコロナワクチン接種は推奨されてはいるものの、まだ接種をするかどうか悩む保護者も多く、医療機関側も手探り状態かと思います。接種希望者やその保護者の不安に寄り添いつつ、医療者側の業務がひっ迫しない仕組みづくりも大切です。
小児コロナワクチン対応でお困りの医療機関様は、ぜひお気軽にご相談ください。また、Symviewのユーザ様も活用方法についてのご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。