2021.12.01
ユーザの声
不妊治療外来でのWEB問診導入意義と今後の展望
OKAレディースクリニックは、長野県長野市の高度生殖医療・不妊治療一般を専門としたクリニックです。
院長の岡先生は、約12年間、信州大学医学部附属病院で体外受精・胚移植をはじめとした不妊治療や内視鏡手術に携わってきました。先進的な設備や他科との連携など恵まれた環境で診療を行える半面、待ち時間の長さやプライバシーの確保の限界などの課題を感じていました。
そこで、患者さんにとってストレスの少ない受診環境を実現したいと考え、2021年1月にOKAレディースクリニックを開院しました。
開業時からSymviewを導入いただいている岡先生に、不妊治療の領域でWEB問診を利用する意義や今後の展望についてお話を伺いました。
開業時から導入したことで、スタッフにも患者さんにも無理なく浸透
WEB問診を導入しようと思われたきっかけはなんですか?
開業後は医師一人での診察となるので、大学病院勤務の時と同じようなやり方をしていては回らないと思ったことがきっかけです。特に最近は、他院で既に様々な検査や治療をしている患者さんが多いので、これまでの経緯を聞くのにも時間がかかります。
そこで、限られた診療時間内で患者さんの訴えをしっかり聞くためにはシステムに頼ることも必要だと考え、WEB問診を導入しようと思いました。
Symview導入の決め手がありましたら、教えてください。
WEB問診のシステム選定時にはいくつかの会社さんからお話を聞いて、最終的にSymviewに決定しました。他社のものとも迷ったのですが、当院では問診の分量が多くなることも考え、チャット形式よりも、問診回答の進捗がわかる画面デザインのSymviewの方が合っていると感じました。また、他社のWEB問診システムとは異なり、Symviewでは質問の出現条件を細かく設定できます。患者さんによっては聞く必要のない質問もあり、特に婦人科領域だと、不要な質問をしてしまうことで患者さんが不快に感じることもあります。条件によって質問の出し分けができることで、患者さんに、よりストレスなく回答してもらえるだろうというのも決め手の1つになりました。
利用してみての感想やスタッフの反応はどうですか?
困ったことがあればサポートの方がスムーズに対応してくれるので、問題なく利用できていますね。また当院では開業時に導入したこともあって、スタッフも患者さんも違和感なく利用してくれています。すでに業務の一部として馴染んでいるので、各職種のスタッフが問診内容について意見をくれたり、サポートへの変更依頼をしたりしてくれています。
不妊治療外来の特性上、WEB問診がマッチ
WEB問診を導入してどんな効果がありましたか?
不妊治療は、流産の経験や性交障害など非常にプライバシーに踏み込んだ内容を聞く必要があります。そのため患者さんが話すのをためらうこともあり、大事な情報が得られないまま何ヶ月後かに重要な情報を知るということもありました。それがWEB問診を利用すると、非対面で、かつ自宅で落ち着いて入力してもらえるためか、対面では話しにくいこともためらわずに伝えてくれるようになったように感じます。また、各質問に選択式で回答できることで、何をどう伝えればいいのかわからないということもなくなり、答えやすいようです。
初診でも来院前から踏み込んだことまで把握できるので、こちらも様々な準備が出来たり、最初から適切な検査を行えたりします。また、WEB問診の中に自由入力欄を設けています。選択式になっている一般的な問診では伝えきれないこと、医師に伝えておきたいことを入力してくれる患者さんが多く、患者さんのお悩み等を事前に把握できて役立っています。これにより、短時間の診察でもしっかりコミュニケーションをとれていると実感します。
患者さんに負担をかけずに、診察室での時間を有意義に使えるようになったので、お互いにとって有意義なツールになっていると思います。
WEB問診は「ストレスの少ない受診環境」を作るために必要不可欠
不妊治療領域では問診の質問数も多くなりますが、患者さんの入力はどうですか?
再診の方を含め、ほぼ100%入れていただいています。初診問診票は細かい部分まで聞けるよう質問項目がとても多いため、回答時間の平均が32分43秒と長いのですが、アンケートでは約7割の患者さんが「紙問診より良い」と回答してくれています。
最初は細かすぎるかなと思ったのですが、不妊治療の領域では伝えたいことがたくさんある患者さんが多く、30分以上かけて入力してもいいという方が圧倒的です。また、患者さんの年齢層的にも20代〜40代とスマホの利用に抵抗がない世代なので、スムーズに使っていただいけているのかなと思います。
WEB問診以外にも活用し、受診後の患者フォローも円滑に
今後の展望を教えて下さい。
当院では体外受精のオンライン説明会を始める予定なのですが、その事前登録にWEB問診を利用しようと考えています。参加希望者のメールアドレスを取得したり、Zoomの利用可否を質問したりして活用していこうと思っています。
また受診後、特定の患者さんにメールやアンケートなどが送れる”メール配信機能”は患者さんのその後を確認できるツールとしては理想的ですね。不妊治療は受診歴が長く、患者さんとの関係性が深いのですが、妊娠が成功すると初期の段階で他院に紹介となり、出産後の状況を知ることができません。郵便でのやりとりなどをしていましたが、メール配信機能を活用すればもっとスムーズなやりとりができるようになると思います。
他にも卵子の凍結更新のタイミングにメールを送るように設定して、申し込みを受け付けたりなどいろいろな使い道を検討したいです。
Symviewは紙の問診票をデジタル化したWEB問診システムというものではなく、患者さんとしっかりコミュニケーションを取るために様々な用途に合わせた活用方法が期待できるところが魅力だと思います。
Symviewでは、新たに電子同意書サービスをリリースしました。来院前に説明を読み、理解した項目にはチェックをしてもらい、理解が難しい内容を院内でスタッフが重点的に説明した上で、患者さんに電子サインをしていただくというものです。不妊治療の領域も説明事項や同意書が多いですが、貴院で課題に感じておられることはありますか?
オンライン説明会をする際に、説明書をメールで送って印刷してサインをしていただいてから一度持って来ていただいています。来院後にまず読んできたかの確認をして、必要そうな部分を重点的に説明するようにしているのですが、この辺りの確認や患者さんの理解度を把握できるというのはお互いにとっていいですね。確かに不妊治療外来では、人工授精や体外受精など日々多くの同意書を扱っているので、電子同意書の活用の可能性はあります。
編集後記
OKAレディースクリニックは、ご開業時からSymviewを導入いただいています。レクチャーの際には、ご開業前の様々な勉強会の合間に参加していただいたにも関わらず、看護師や培養士の皆様からも積極的にご質問やご意見をいただいたのが印象的でした。 先生だけでなくスタッフさん達もSymviewを業務の中に組み込んでいただき、常により良い問診にするため意見を出したり、新しい活用方法を考えていただけるというのは、担当としても本当に嬉しく思います。 当社としても、その時々に合わせた活用方法をご提案していけるよう、尽力して参ります。 お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
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